植物とは: 定義、特徴、分類など

organism/taxa/plant
2018/03/19 更新

  1. 概要: 植物とは
    • 植物の起源
  2. 植物の分類
    • 非維管束植物
    • 維管束植物

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植物とは

植物 plants は、以下の 3 つの特徴をもつ分類群である (1)。この 3 つの特徴を併せ持つ生物は、植物のみである。

  1. 光合成 photosynthesis をする。ただしこれは植物のみの特徴ではなく、原核生物原生生物 でも光合成をする生物がいる。
  2. 親から栄養をもらう multicellular embryo をもつ。この特徴によって、植物は光合成をする原生生物 (通常は単細胞で、分裂によって増殖する) から区別される。
  3. Alternation of generations という生活様式をもつ (図; ref 2)。これは日本語にすると単に「世代交代」だが、植物特有のライフサイクルを指す科学用語でもある。


上記の 3 つの特徴に関係する専門用語をまとめておく。

世代交代
Alternation of generations

図に示すように、diploid (2n) の時期と haploid (1n) の時期を交互に繰り返すような生活様式のことをいう (1)。

Multicellular embryo

上の図で zygote が 有糸分裂 によって増殖したもののこと。

具体例としては、種子 seed を思い浮かべれば良いだろう。たまに混同されることがあるが、種子は精子・卵子ではなく、受精後の embryo と栄養部分から成る構造体である (4)。

胞子体
Sporophyte

2n の細胞から成る体のこと。Multicellular embryo も 2n である限りはこの一部とみなされる。

Sporophyte は 減数分裂 によって 1n の細胞を作り出す。これが 胞子 spore である。

配偶体
Gametophyte

胞子は分裂し、配偶体を作る。精子および卵子は、配偶体で作られる 1n かつ単数の細胞から成る構造である。

コケ類などの配偶体は多細胞で、普通の「植物」のように見える。種子植物では 花粉 pollen [pɑlən] が配偶体である。一般に、進化的に新しい植物ほど配偶体は小さい傾向にある (1)。


植物の起源

植物は、系統的に 原生生物 の緑藻 green alga に近い (1)。陸上への進出にあたって植物が獲得した重要な形質は、以下の通りである。体を支えたり、乾燥を防いだりするのに役立っている。

PubMed Taxonomy では、緑色植物 green plants は kindom Viridiplantae を構成することになっており、これには緑藻も含まれる。緑藻を原生生物とする文献 1 の分類とは少し異なっている。

クチクラ Cuticle

植物の体を覆う層。

気孔
Stoma (単), stomata (複)

主に葉の裏側にある呼吸のための穴 (1)。乾燥を防ぐために閉じることができる。

木 (質) 部
Xylem
[zailəm]

師部 (pholem) と共に維管束を構成する構造で、水などを運ぶ導管 vessel や木部柔組織 xylem parenchyma などから成っている。

師部
Pholem
[flouem]

木部は主に死んだ細胞から構成されるが、師部は樹液を輸送する生細胞からなる。

リグニン
Lignin

植物の体を支える硬いポリマー。


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植物の分類

文献 1 に基づく分類である。植物は、まず大きく非維管束植物および維管束植物に分けられる。維管束植物は単系統群であるが、非維管束植物はそうではない。


非維管束植物
Nonvascular plants

コケ類
Liverworts

ツノゴケ類
Hornworts

ツノ状の形をした胞子体をもつ。

蘚類
Mosses

非維管束植物では、もっとも多様化した分類群である (1)。葉に costa という主脈状の細胞群がある。

維管束植物
Vascular plants

Club mosses

トクサ類 Horsetails

シダ類 Ferns

いずれもほとんどの時期を胞子体として過ごす。

裸子植物
Gymnosperms

被子植物
Angiosperms


系統樹は高校レベルのものしか見つからなかったので、とりあえずそれを載せておく (3)。いずれ更新したい。

図のコケ植物はコケ類・ツノゴケ類・蘚類を含み、かつ単系統ではない。図のシダ植物には Clum mosses、トクサ類、シダ類が含まれる。


非維管束植物

非維管束植物 は、以下のような共通した特徴をもっている (1)。

  • 多くの時期を配偶体として過ごす。
  • 根 root、葉 leaf、茎 stem などをもたない。リグニンや効率的な水輸送システムがないため、体は一般に小さい。
  • 配偶子 gamete (精子および卵子) は水で拡散する。

配偶子は 造卵器 archegonia または 造精器 antheridia という構造の中で作られる。雌雄同体の植物はこれらを両方もっている。

受精卵は造卵器の中で分裂し、親の体についたまま多細胞化する。成熟すると 1n の胞子を作り出し、これが放出されてオスとメスの配偶体を作る。

動物の生植のイメージが残っていると理解が難しいが、精子と卵子を作るのはそれぞれオスとメスの配偶体 (1n) であり、2n の胞子体ではないのが理解のポイントだろう。


維管束植物

維管束植物は、以下のような特徴をもっている。

  • 水や栄養素を運ぶ conducting cells をもっている。
  • 2n の胞子体 sporophyte が dominant である。
  • 種子 seed を作る植物と作らない植物にさらに分類される。

種子を作らない植物では、精子 sperm が水の中を泳いで卵子に辿り着く。したがって繁殖には が必要である。

種子植物は、花粉 pollen および 種子 seed をもつ。花粉は精子ではなく 1n の配偶体であり、花粉の中に精子産生細胞が含まれている。これによって、繁殖に水が必要なくなったわけである。

種子は 3 つの重要な要素から成る。小さな胞子体、栄養素、および種子を環境から守る外殻である。


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References

  1. Amazon link: Audesirk et al. 2013a. Biology: Life on Earth.
  2. By Alternation of generations.svg: Peter coxheadderivative work: Peter coxhead (talk) - This file was derived from  Alternation of generations.svg, Public Domain, Link
  3. By すじにくシチュー - 投稿者自身による作品, CC0, Link
  4. Amazon link: Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.