サイズ排除クロマトグラフィーによる loading dye の分離実験

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. サイズ排除クロマトグラフィーによる loading dye の分離実験
  2. カラムの準備
  3. 分離

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サイズ排除クロマトグラフィーによる loading dye の分離実験

Loading dye は、DNA や RNA の 電気泳動 を行う際に サンプル溶液と混ぜる試薬である。この試薬の詳細は、loading dye のページ を参照のこと。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

写真 (Public domain) のような青系の loading dye には、通常ブロモフェノールブルー bromophenol blue とキシレンシアノール FF xylene cyanol FF という色素が含まれている。

サイズ排除クロマトグラフィー を使って、この 2 種類の色素を分離する実験をしてみたので、このページにまとめておく。

TLC によるラクトースの検出 と並ぶ簡易実験シリーズ。


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カラムの準備

Sephadex G-75 を使用。分画分子量は球状タンパク質で 3,000 - 80,000、デキストランで 1,000 - 50,000 である。

ブロモフェノールブルーとキシレンシアノール FF の 分子量 はそれぞれ約 670 と 540 であるので、浸透限界よりも小さい。やってみると意外と分離されたが、分子量に応じた分離になっていないような気がした。

まずはカラムの準備。5 mL のピペットに脱脂綿を詰めて簡易カラムを作成。脱脂綿の量の調整は難しい。1 - 2 秒あたり 1 滴ぐらい。矢印はゲルと水の境界。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

G-75 の膨潤時間は、25°C では 24 時間 (1)。このときは数時間しかやらなかったので、次回は前日に用意しておきたい。

移動相は蒸留水と 0.9% NaCl。およそ 3 mL のゲルを含むカラムを作った。

分離

0.9% NaCl で平衡化し、カラムの上の移動相がなくなったタイミングで、200 µL の loading dye をアプライ。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

Loading dye が完全にゲルの中に入ってから、0.9% NaCl を流していく。サンプルのアプライ、0.9% NaCl のアプライの前、カラムの上に液体がないこと をよく確認する。そうでないと、loading dye が希釈されてしまい、分離が悪くなる。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

分離が進む。青い色素の移動が早い。色からすると青が XC、紫が BPB のようだ。分子量が大きい BPB が先に流れるはずだが、逆になっている。たぶん、分子量が浸透限界以下のためと思われる。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

XC はすでに溶出され、紫の BPB が出てきているところ。

DNA 電気泳動 ローディングダイ

Fraction の写真も、あとで追加する。


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References

  1. Instructions for Sephadex Media. Pdf file: Last access 2022/04/17.

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