Ras: シグナル伝達に関与する small G protein

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: Ras とは

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概要: Ras とは

Ras とはシグナル伝達を仲介する G タンパク質 の一種である。分子量が小さいことから small G protein または small GTPase とも呼ばれる。複合体ではなくモノマーとして働く。

Ras が関与するシグナルの一つが epidermal growth factor (EGF) シグナルである (1)。概要は以下の通り。

  1. EGF が受容体に結合すると、受容体はダイマーを形成する。インスリンと違い、2 分子の EGF がこのダイマーに結合している。
  2. 受容体は Tyr で自己リン酸化し、Grb-2 がこれに結合する。
  3. Grb-2 は Sos と結合し、Sos は Ras を活性化する。
  4. Ras は活性化される前には GDP と結合しているが、Sos によって GTP と結合できる状態になる。このため、Sos は GEF; guanine-nucleotide-exhange factor と表現されることもある。
  5. GTP-bound form の Ras は、他のタンパク質に結合して活性化する。一例が Raf である。
  6. Raf は kinase であり、通常は MEK - Erk とシグナルを伝える。

Ras に GTPase 活性を失うような変異が入ると、細胞増殖のシグナルを切ることができずガンになる (1)。EGF receptor の抗体は anticancer drug である。


Small GTPase family

Ras のほかに Rho, Arf, Rab, Ran などがある (1)。


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References

  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。

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