解糖系の最初の酵素 グルコキナーゼ: 構造、機能など

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このページの最終更新日: 2024/05/16

  1. 概要: グルコキナーゼとは

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概要: グルコキナーゼとは

グルコキナーゼには以下のような性質がある。

  • グルコキナーゼは glucose-6-phosphate による阻害を受けない。
  • グルコースへの親和性は HK の 1/50 である。つまりグルコースが豊富なときにのみ働く。

したがって、過剰なグルコースが存在する場合、以下のような現象が起こる。

  1. グルコースが解糖系および TCA 回路 で正常に代謝されると、ATP が余る状態になる。
  2. ATP は解糖系のメインの律速酵素である PFK を阻害するので、解糖系全体が slow down する。
  3. PFK 阻害によって G6P が蓄積し、HK も阻害される。
  4. HK が阻害されることによって G6P の生成量が下がるが、グルコース濃度が十分に高い場合、グルコキナーゼが G6P を作り続ける。
  5. ゆえに、解糖系および以下の代謝系がストップしていても、グルコースはとりあえず G6P にはなる。
  6. この G6P は、グリコーゲン合成に利用される。

グルコキナーゼは、解糖系の一部と考えても良いが、グルコースが過剰なときに G6P をグリコーゲン合成へ流す 酵素として理解する方が良いだろう。


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References

  1. Berg et al. 2006a. (Book). Biochemistry, 6th edition.

Berg, Tymoczko, Stryer の編集による生化学の教科書。 巻末の index 以外で約 1000 ページ。

正統派の教科書という感じで、基礎的な知識がややトップダウン的に網羅されている。その反面、個々の現象や分子に対して生理的な意義があまり述べられておらず、構造に偏っていて化学的要素が強い。この点、イラストレイテッド ハーパー・生化学 30版 の方が生物学寄りな印象がある。

英語圏ならば学部教育向けにはややレベルが高い印象。しかし、基本を外さずに専門分野以外のことを 研究レベルで 英語で読みたいという日本人には非常に適しているだろう。輪読とかにも向いているかもしれない。翻訳版はストライヤー生化学として売られている。



  1. Amazon link: 水島 (訳) 2015a. リッピンコット イラストレイテッド細胞分子生物学.

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