英語のレジュメ・CV の書き方

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8-25-2017 updated

  1. レジュメ と CV の違い
  2. 内容と形式
  3. その他

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レジュメと CV の違い

英語の履歴書には、レジュメ resume と curriculum vitae (CV) の 2 種類がある。表には 1 のサイトで示されている区別をまとめたが、大学の post-doc や faculty に応募するときには、論文などを含む数十ページにわたる CV を提出するのが経験上普通であるので、それを研究者の CV として追加した。

このページでは、この「研究者の CV」についてまとめる。


レジュメ CV 研究者の CV
用途 アメリカ、カナダの企業 アメリカ、カナダの大学
その他英語圏の企業、大学 (1)
Faculty としての応募
内容 履歴の要約。短くわかりやすく (1) 履歴の全体を含む (1) 研究者としての活動を記載
枚数 1 - 2 枚 (1) 2 - 5 枚 (1) ときに 50 枚以上。ポスドクなら 10 枚弱ぐらい (6)。

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内容と形式

研究者の CV には、こうでなければいけないという決まった形式はない ため、自分の強みを最もアピールできる形に作成する。とはいえ、守るべき基本事項は数多く存在する。以下はハーバード大学医学部 のインストラクションの抜粋であるが (2)、これらは大体どのフォーマットでも守るべき基本ルールになっている。

基本ルール: 推奨

  1. 論文、学会発表等の項目は時系列に並べる。古いものが上、新しいものが下。
  2. 職業等の期間を示す場合は、年だけでなく月も書く。
  3. 分野外の人にも読みやすい形式で。必ずページ番号をつけ、一般的でない略号は避ける。ページ番号の隣に、フッターとして自分の名前を記入する場合も。
  4. フォントは 11 ポイントを推奨、Times New Roman, Arial などの一般的なフォントで。
  5. 何度も見直すこと。スペルミスなどはあってはならない
  6. 受動態は避け、action verb を使う。
  7. コピペ臭は致命的である。自分のフォーマットで作る。文章も同様である。
  8. 日付はなぜか書かなくても良い模様。

項目ごとの解説

多くのフォーマットで共通する項目について、何を書けばよいのかを例とともにまとめる。一般的な順番はあるが、とくに決まったルールはなく、自分が強調したい項目を先に持ってくるという程度の考え方で良いようである。


Headings

紙の一番上に書かれるヘッダーである。Curriculum Vitae と書く場合もあるが、分かりきっていることなのでこれを推奨しないところもある (4)。自分の名前を大きなフォントで書き、ヘッダーのようにしている例も多い。


Personal information

個人情報を記載する項目であり、様々な意見がある。

  • 生年月日: 年齢による採用/不採用は差別として禁じられているので、書く必要がないとする場合も。実際には書かれている例が多いように思う。
  • 写真: 同様に、採用に関係のない情報であるために不要とされる。写真はない場合が多い。アメリカでは、雇用側が写真を要求したら違法である (5)。同じ理由から、アメリカ系の企業に提出する CV には生年月日、性別、結婚ステータス、子供の有無、健康状態、身体の特徴などは書かない (5)。

Education

通常は大学からの学歴を記載する。

  • Neuroscience, University of California, San Francisco, California. のように、学位の名称と大学名のみを記載し、研究室名、学部名などは書かないパターン (7)。
  • Graduate Research with Lionel Jospin のようにして advisor 名を載せている (7)。

Postdoctoral training

Appointments/affiliations として、ポスドクや研究機関での職業を一緒にするのもよくある形式である。Harvard format (2) ではポスドクはトレーニング期間として考えているようで、Faculty academic appointments と区別している。


Committee service

委員会活動である。学会で何かの委員会に所属している場合は書いてよいが、単なる学会員の場合は次の項目に記載する (2)。


Professional Societies

所属している学会を年号とともに書く。

2010 - 2013, International Society of Telephone. Member.
2012 - present, Society for immunohistochemisry. Member, Abstract selection committee.


Editorial activities

雑誌の査読者、編集者としての経験を書く。査読した雑誌を書くのはあまり一般的でなく、賛否両論がある (8)。また学会発表などと同じで、シニアの研究者になるほど意味がなくなってくるものかもしれない。個人的にはコレクションのような感じで好きである。

Ad hoc reviewer

Journal of Mice and Rats: 2010, 2012.
Journal of Telephones: 2016.
Watabi Research: 2017.


Editorial board

Journal of Birds and Fish: 2010 - present.
Journal of Google Drive: 2016 - present.


Educational activities

Teaching experience という項目名もよく使われる。TA (teaching assistant) の経験や、受け持った講義などを書く。講義は、内容ごとにまとめて書くと見やすいだろう。


Courses taught

Biochemistry    BIOL 421   2010 - 2012.
Immunology    BIOL 423    2012 - present.



Honors and Prizes

おそらく、この項目が一番何を書けば良いか迷うところだろう。実際に人によって様々な項目を含めている場合も多い。文献 2 の方針では

  • 賞はとりあえず全部入れてよい。教育、研究、臨床など、学問的なものであったらどんな賞でも OK。
  • Leadership programs など、選ばれた人だけが参加できるトレーニングコースで、参加自体が名誉と考えられるもの。日本にはあまりないが、アメリカではこういうコースがたくさんある。
  • 研究費やスカラーシップ、マスメディアでの発表、Who's Who への掲載等は含めない (他に記載するセクションがある)。

Funding Information

ここも研究者向け CV の主要な項目の一つである。シニアになればなるほど、研究費の獲得実績が評価される。文献 2 の方針では

  • まず、終了している予算 PAST と、現在受け取っている予算 CURRENT に分ける。そして、それぞれについて以下の項目を記載する。
  • 年号: 進行中で、終了時期が決まっていない場合は 2010 - sompletion of enrollment とする。
  • 自分の役割: PI (principal investigator, 研究代表者), site PI, Project PI, co-PI, Investigator, consultant, mentor など。
  • Site PI の説明として、The Site PI is the research group leader, or Principal Investigator, who directs the course of research projects in their group, and is, ultimately, responsible for paying any bills incurred by all members of their group for who they have created electronic permits (3) というのをみつけたが、意味はよくわからなかった。
  • Funding source: 日本なら学振、文科省、アメリカなら NIH など。
  • Grant type and grant number: 日本の科研費の英語名の一覧は、謝辞 acknowledgements のページにあります。
  • Total direct cotst: 研究費の額。自分が PI の場合だけで良いと書いてある。
  • グラントの説明: 2 文以内で major goal と自分の貢献を述べる。

2006-2010
The role of isoflavones in the management of hot flashes
NCCAM/R21 1234567A
PI ($275,000)
The major goal of the study is to use skin conductance measurements to quantify the impact of different isoflavones on hot flash frequency and severity.


Bibliography

Bibliography とは著書の目録、参考文献一覧などの意味で、研究者としての実績を最もクリアに語る部分である。基本的なルールとして (2)、

  • 数を増やしたい誘惑にかられても、in submission, in preparation の論文は入れない。
  • Peer-reviewd, non-reviewed に分け、項目ごとに番号をつける。
 
Presentations

学会での発表である。

  • Invited presentations は特別扱いされる。
 
Patents and Patent Applications

取得した 特許 に関する情報。書き方は様々である。ネットで見つけた CV から、いくつか引用する。


Schreiber, S. L.; Taunton, J.; Hassig, C.; Jamison, T. F.; “Histone Deacetylases, and Uses Related Thereto” 2013, U.S. Patent No. 8,426,592. (MIT の教授, pdf file.)

その他

地域性の問題

ハーバード大学医学部 CV instruction (2) では、活動の内容を local, regional, national or international の 3 つに分けて記述することを求めている。例えば講演の場合は、Local は大学内や近くの組織、regional は近隣の 6 つの州、national or international はその他のエリアまたは上記エリア内でも国際学会での発表などである。範囲が大きい方が評価が高いようである。

アメリカ以外の大学でポジションを持っていた場合などは、そこを起点として local, regional, national or international を考えてよいとも書かれている (2)。



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References

  1. 転職コンパス 英文履歴書 (英文レジュメ) の書き方. Link.
  2. ハーバード大学医学部 CV instruction. Pdf file.
  3. How to Become an NMRFAM Site PI. University of Wisconsin Madison. Link.
  4. Classic CV guidelines. Jobs.ac.uk.
  5. 英文履歴書の書き方. Link.
  6. CV and cover letter writing for academic & audiences. Virginia university. Pdf file.
  7. Samples for Academic Positions. UCSF Career. Link.
  8. CV (履歴書) に査読歴を書く話. Link.