学習 learning
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9-25-2017 updated
- 概要: 学習 learning とは
- 学習に関係する用語の解説
- 強化学習 Reinforcement learning
- オペラント学習 Operant learning
- 恐怖条件付け Fear conditioning
- 学習の効果が確認されている生物
- 関係する脳領域
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概要:学習 learning とは
定義 definition
学習 learning とは、
動因
学習には、それを推進するための動機 motivation が必要であり、それは報酬 reward として与えられるのが一般的である。動物実験では飢餓 - 餌の系が報酬としてよく用いられているが、両生類ではこれが困難で、代わりに乾燥 - 水などで成功している例がある (2R)。
学習に関係する用語の解説
学習には、数多くの種類がある。強化学習の項で述べるレバー実験は、強化学習でありかつオペラント学習であるように、以下の項目は排他的なものではない。
強化学習 reinforcement learning
動物に、ある行動を起こしたときに何らかの報酬 reward を与えるようにすると、その行動が強化 reinforcement され、同じ行動を繰り返すようになる (1)。このような学習パターンを強化学習と呼び、学習に関する行動試験 behavioral test の多くはこの強化学習を使っている。
: 1950 年代初期に Olds & Milner によって行われた。
: ラットの脳に電極を埋め込み、箱の中のレバーを押すと電流が流れるようにする。
: ラットはこの電気刺激を好み、次第にレバーを繰り返し押すようになった。衰弱するまでやめなかった。
: 電極が VTA からPFC に投射するドーパミン作動性神経に沿った部分にあるとき、最も効果的だった。
この実験から、ドーパミン系と報酬系の関係が示唆された。
オペラント学習 Operant learning
Operant は「自発的な」という意味で、実験的には
- レバーを押すと電撃を回避できる、など罰刺激による実験
- 餌ではなく、上の例のような電気刺激や薬物を報酬として与える実験。
恐怖条件付け Fear conditioning
ラットもしくはマウスをチャンバーに閉じ込めて、ライト、ブザーなどの条件刺激の提示下で電撃などを与える。条件と電撃を結びつける
条件刺激を使用せず、チャンバーと電撃の関係を結びつけさせる学習は
学習の効果が確認されている生物
正刺激の逆転を繰り返すことで習得速度が速くなることを
: サル、ラット、ハトでは、位置課題および視覚課題のそれぞれで認められる。
: 爬虫類のカメを用いた弁別逆転学習では、PI 効果は位置課題のみで観察された。
: 両生類では、アカハライモリで視覚弁別学習が可能なことが報告されてた (2R)。
: 硬骨魚類では、位置課題、視覚課題のいずれでも PI 効果が確認されていない。
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References
ベアーほか 2007a (Book). 神経科学 脳の探求. 西村書店.木村他 2013a. アカハライモリ (Cynops pyrrhogaster) における水強化を用いた同時視覚弁別学習. Jpn J Anim Psychol, 63、87-93.- 強化学習 (Reinforcement Learning) Web.
- 行動薬理学のススメ. Web.
Fanseslow & Dong 2010a (Review) Are the dorsal and ventral hippocampus functionally distinct structures? Neuron 65, 7-19.