動物の行動実験: 文脈的恐怖条件付け
experiments/behavior/contexutual_fear_conditioning
5-10-2017 updated
- 概要: contextual fear conditioning とは
- 海馬との関係
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概要: contextual fear conditioning とは
Contextual fear conditioning とは、ラット またはマウスをチャンバーに入れ、特定の音のあとに電気ショックを与える実験である。手順の概要は以下の通り (1)。
- 動物を再び同じチャンバーに入れると、音がなくても動物は恐怖のためフリーズするが、見た目が異なるチャンバーではフリーズ freeze しない。
- 見た目が異なるチャンバーに入れ、音を聞かせると、やはり動物はフリーズする。
- Freezing は生命活動に必要な呼吸以外の行動が全くみられない状態で、恐怖により惹起されると考えられている (2)。この時間を測定する。
- 有名な結果としては、海馬の機能不全 (genetic, pharmacological, lesion) が
音によらない効果のみを impair する というものがある。
恐怖の種類
チャンバーの見た目と結びついた恐怖を
: Dorsal CA3 よりも CA1 と関係が深い。
- ある日にこれを十分に行い (電撃なし)、翌日に同じチャンバーに入れた直後に電撃を与えれば成立する。
- このことは、
空間学習は、電撃などの強いモチベーションがなくても成立する ことを示している。
海馬の機能との関係
この試験における ventral hippocampus の役割は複雑である。NMDA agonist で ventral Hipp を機能阻害すると、dorsal と同じように contextual fear が阻害 (2)。しかし vHipp lesion や muscimol による機能阻害は、tone fear を阻害する。
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References
Fanselow & Dong 2010a (Review). Are the dorsal and ventral hippocampus functionally distinct structure? Neuron 65, 7-19.- 行動薬理学のススメ. Link.