ラット anterior commissure: 脳の前方で両半球を繋ぐ白質

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9-10-2017 updated

  1. 概要: anterior commissure とは

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概要: anterior commissure toha

ラット の anterior commissure は、脳の前方にある白質 white matter であり、左右の半球を繋いでいる。断面図だと右の赤い点のように見える。全体としては、下の図のような U 字型をしている。




図はどちらも Scalable brain atlas から引用した。

> Rat で AC の投射部位を調べた論文 (1R)。2 つの方法を使っている。

: Anterior commissure を切って axonal degradation products を検出。Fink-Heimer’s method。
: 左右半球を繋ぐ主要構造 CC を切って、片方の半球にラベルしたアミノ酸を投与。逆半球で検出。
: Stria terminalis, olfactory bulb,

Anterior commisure には、3 つの主要な枝分かれ (投射先) がある (1)。

  1. A stria terminalis component:
  2. An anterior limb, or olfactory component:
  3. A posterior limb, or inter-hemispheric component:

Stria terminalis

>線条体 striatum への投射がある (1)。

: Contralateral, lateral, cortical nuclei of the amygdala に投射していると書かれている。

Anterior limb

Posterior limb

霊長類では、posterior limb は左右半球の temporal lobe を繋いでいる (1I)。しかし、ウサギでは大脳皮質に投射していないという報告がある。ラットrat では、rhinal sulcus に沿って cortex に投射している (1)。


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References

  1. Horel and Stelzner 1981a. Neocortical projections of the rat anterior commissure. Brain Res, 220, 1-12.
  2. 河合良訓 監修, 原島広至 文・イラスト (2005).

語源から覚える解剖学英単語集の第 3 段。

監修のことばにも書かれているが、脳は他の組織よりも構造が複雑である。それは、脳の領域が全体的に繋がっていて、区分がはっきりしていないためである。これに伴って用語にも混乱が生じており、たとえば脳幹 brain stem という単語が示す領域は文献によって異なっている (これもこの本に書かれていた)。したがって、良いアトラスを持っていることは脳について学習・研究するために非常に重要である。

この本は、ヒトの脳の様々な部位の名称が日本語と英語で対応づけて書かれていて、イラストも美しくわかりやすい。厚くはないが、 原著論文に出ている用語はほぼ網羅しているので、ぜひ手元に一冊置いておきたい本だ。



参考図書

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