RNA: 定義、構造など
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RNA とは
RNA には以下のような種類がある。
Ribosomal RNA (rRNA) |
バクテリア、真核生物の細胞質に存在 (7)。細胞内の RNA の大部分を占める。リボソームの構成成分である。 |
Messenger RNA (mRNA) |
DNA の情報をタンパク質へ伝える。 |
Transfer RNA (tRNA) |
タンパク質の翻訳に重要。 |
Small nuclear RNA (snRNA) |
真核生物の核に存在し、pre-mRNA のプロセシングに関わる。 |
Small nucleolar RNA (snoRNA) |
真核生物の核に存在し、rRNA のプロセシングおよびアセンブリーに関わる。 |
MicroRNA (miRNA) |
真核生物の核および細胞質で、標的とする mRNA の翻訳を阻害する (7)。 |
Small interfering RNA (siRNA) |
標的 RNA の分解を引き起こす。 |
Piwi-interacting RNA (piRNA) |
生殖細胞において、transposable element の転写を抑制する (7)。 |
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RNA の構造
RNA の構造は DNA とよく似ており、下の図 (7) の X の位置に OH が入っているだけである。
RNA は化学修飾を受ける。もっとも有名なのは、以下 (Public domain) の N6-methyladenosine (m6A) である。
なぜ RNA は T でなく U なのか?
これは、逆に「なぜ DNA では U を用いないのか?」と考えた方が良いようである (6)。
シトシン C、チミン T およびウラシル U の構造は以下の通り (いずれも Public domain)。
チミン |
ウラシル |
シトシン |
生命が最初に使っていた遺伝物質は、DNA でなく RNA であったと考えられている (RNA ワールド仮説; see 生命の起源)。ところが、RNA ではアミノ基転移によって C が U になってしまい、遺伝情報の保存に都合が悪かった。そのため、情報を長期保存する DNA では、U でなく T が使われるようになったと思われる。
ただし、T には TT が変異を生じやすいという問題がある (いずれ更新)。RNA editing によって TT を避ける機構が、日差しの強い地域の植物に備わっているという報告もある。
なぜ RNA は DNA より不安定なのか?
下の図に見る H と OH の違いが、DNA と RNA の安定性に大きな差をもたらす (6)。
すなわち、2' 位のヒドロキシ基 OH は
RNA を保存する試薬として RNAlater とその代用品 がある。
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References
- Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
- ページ編集のため削除
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- Amazon link: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition.
- Got it! Lab. RNA:DNAとは何が違うのか? Link: Last access 2019/05/13.
- Amazon link: Pierce 2016. Genetics: A Conceptual Approach: 5, 6 版を使っています。
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