プラスミド: 染色体外に存在する環状DNA
UBC/other_metabolites/nucleic_acid/plasmid
このページの最終更新日: 2024/02/15広告
概要: プラスミドとは
プラスミド plasmid とはバクテリアに含まれる DNA から成る構造で、染色体とは独立して分裂することができる。英語での定義は以下の通り (1)。
A structure in bacterial cells consisting of DNA that can exist and replicate independently of the chromosome. |
抗生物質への耐性などを宿主に付与する機能がある。分子生物学実験では、遺伝子を運ぶためのベクター vector としてよく使われる。
プラスミドベクターの特徴
分子生物学実験でよく使われるプラスミドベクターを表にした。
ミニプレップの収量から、プラスミドが高コピーか低コピーかを見積もることができる (3)。1 mL の LB 培養液から 3 - 5 µg のプラスミドがとれれば高コピー、0.2 - 1 µg ぐらいなら低コピー。細胞あたりのプラスミド数も表にあるので参照のこと。
クローニングベクター
pUC |
500 - 700/cell の高コピープラスミド (2,3)。 |
pGEM |
300 - 400/cell (3) |
pBruescript |
300 - 500/cell (3) |
大腸菌発現ベクター
pET |
タンパク質の大腸菌発現系でよく使われる。参考: IPTG によるタンパク質の発現誘導 500 - 700 コピーの pETUA から、10 - 20 コピーの pETBA, pETIA など、用途に応じていろいろな種類を使用可能。 |
pGEX |
|
pCOLADuet |
未整理
pTZ |
More than 1000/cell (3) |
pBR322 and derivatives |
10 - 25/cell (3) |
pACYC and derivatives |
10 - 12/cell (3) |
pSC101 and derivatives |
~5/cell, very low copy (3) |
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References
- Amazon link:
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology. Green and Sambrook, 2012a. Molecular cloning: A laboratory manual, 4th edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press.
分子生物学関係のプロトコール集では、この本よりも有名なものはないだろう。
日本語版がない、電子書籍版もない、値段が高い、重いなど問題点は多々あるが、それでも実験室に必ずあるべき書。ラボプロトコールをまとめたりする時間を大いに節約することができる。
このサイトにあるプロトコールも、多くはこの本の記述を参考にしたものである。
- How do I know if my plasmid is a high- or low copy number type? Link: Last access 2024/01/02.
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