甘味をもつ 6 価アルコール イノシトール: 構造、生合成、代謝など

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このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: イノシトールとは
  2. Myo-inositol の機能と特徴
  3. Scyllo-inositol の機能と特徴

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概要: イノシトールとは

イノシトール inositol は、図の構造式 (2) で表される 6 価のアルコールである。


シクロヘキサンの各炭素に結合している H が、OH に置き換わったシクリトール cyclitol の一種。甘味をもち、ビタミンBの一種と考えられている。

OH 基がシクロヘキサンの平面に対して上方向についているか、下方向についているかで9種の異性体がある (1)。量的に最も多いのが、図に示した myo-inositol である。


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Myo-inositol の機能と特徴

Myo-inositol には以下のような生化学的特徴がある。

  • 機能は未知の点が多いが、細胞増殖、浸透圧調節、グルコース貯蔵などの役割を果たしている(1)。
  • グリア細胞のマーカーとして提唱されている (1)。
  • 脳には4 - 8 mmol/kg 程度含まれる (1)。
  • アルツハイマー病、肝性脳症 hepatic encephalopathy、brain injury などで量が変わる (1)。

Scyllo-inositol の機能と特徴

2番目に多いイノシトール。ヒト、ウシ、ヒツジの脳から発見されているが、ラット脳からは検出されない (1)。


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References

  1. Govindaraju et al. 2000a. Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.
  2. By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link

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