HPLC カラムの取り扱い: 替え方、空気の除き方、保存方法など

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このページの最終更新日: 2024/11/10

  1. 概要: HPLC カラム取り扱いの重要性
  2. カラムの替え方
  3. カラムの保存
  4. 空気の除き方
  5. ガードカラムについて

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概要: HPLC カラム取り扱いの重要性

HPLC では、高密度に充填されたカラムに高圧で移動相を流すことによって、高い分離能を実現している。カラムは、その性能を最大限に発揮するために、

カラムの替え方

カラムを交換する際に注意すべき点は、概ね以下の通り。

> 新しいカラム内の溶媒と HPLC 装置内の溶媒が混ざり、塩が析出する (1)。

  • 交換する前に、カラムを満たしている溶媒で装置内を置換する。
  • とくに、塩を含んだ溶媒と有機溶媒の組み合わせ は要注意である。直接交換せずに、一度純水にしてから置換する。
  • ポンプだけでなく、サンプルループを含め全てを置換する。

> カラムに空気を入れない ように交換する (1)。

  • HPLC にゆっくりと溶媒を流す。0.2 mL/min とかでよい。
  • カラムの入り口、出口を確認する。矢印があるはず。
  • カラムの入り口側を開け、カラムを手のひらで加温する。万が一空気が入っていれば、膨張して液が溢れてくるはず。空気がないことを確認しつつ接続。
  • もちろん、急激にカラムを温めたり、カタログの上限温度以上に温めたりしてはいけない。
  • カラムの圧力が上がりすぎないうちに、出口側を接続。液が出てくるのを確認後、装置に接続。

溶媒を流しながら行わない流儀もあり、それでも実際には問題ない。

カラムを逆につけてしまった場合

カラムには、通常は flow の方向を示す矢印がついている。しかし、取付口のネジは同じものなので、逆向きにつけることも可能であり、逆に流してしまうのもありがちなミスである。

基本的には、逆流は好ましくない。カラム内に充填されている担体の詰まり具合が不均一でなくなり、溶出時間が変わったり、分離が悪くなったりする恐れがある。取付時には、逆向きにつけないように注意を払うべきである。

とはいえ、逆流させてしまったら即アウトというわけではない。詰まったときに、逆向きで流して洗浄する場合もあるぐらいである。分離や保持時間に異常が出ていなければ、そのまま使い続けて OK である。

逆流させた後には、カラムの出口にゴミが詰まっている可能性がある。一度、正しい向きで 0.2 mL/min ぐらいでゆっくり流して洗浄するのが良い。この際、溶媒には溶出力の高いもの (ODS カラムならメタノールなど) を用いる。その際、入り口側にあるガードカラムに吸着されているゴミがカラムに流入してしまう可能性もあるので、洗浄溶媒はきれいであるという前提で、ガードカラムを外すのも手である。

カラムの保存

> カラムをどの溶液で保存するかは、マニュアルに書かれているはず。

  • ODS の場合、たとえばこの ResearchGate に議論がある。アセトニトリル、メタノール、水などの mix。いろいろ意見があるようだ。

保存中も、月に 1 回ぐらいの頻度で溶媒を交換することで、カラムの性能をさらに長く保つことが可能である (4)。

空気の除き方

更新予定。

ガードカラムについて

ガードカラムは消耗品 (2)。時期は使用条件によるので一般的なことは言えないが、本カラムが劣化する前に交換する必要がある。例えば本カラムが 1000 サンプルで劣化するなら、700 - 800 サンプルでガードカラムを交換したい。

ガードカラムには、カートリッジ交換タイプと充填タイプがある。原則として、分離カラムと同じもの を充填することが推奨されている。


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References

  1. カラム取扱上の一般的注意事項. Shodex. Link: Last access 2019/06/26.
  2. ガードカラムの必要性とは・・・・ Link: Last access 2021/04/18.

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このページの目次

1. 概要