ミトコンドリアの単離・精製プロトコール

UBC/cell/mitochondria/purification

このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. ミトコンドリアの精製

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ミトコンドリアの精製

「ミトコンドリア 精製」で検索すると、やたらと精製キットのページがヒットする。Top hit は Thermofisher のキットのページである (2023 年、Google 検索)。個人的には、キットを使って簡単に実験するのは状況に応じて大いに推奨しているのだが、このように検索する人の多くはキットを探してるわけではないと思うので、生化学的な情報にアクセスしにくいのは問題だと思う。Google 検索アルゴリズムの改善を期待している。

文献 4 などを参考に、単位組織量あたりのミトコンドリア量を求める実験をしたことがあったので、そのときの記録。まずは概要と注意点。

  1. 培養細胞または柔らかい組織 (肝臓など) が実験しやすい。
  2. 100 mg 程度が最低量か。10 倍のバッファー内でホモジナイズするので、100 mg なら 2 mL チューブ内で破砕可能。
  3. 筋肉組織なら、組織重量の 2 - 10% をミトコンドリアが占める。最初の遠心後、上清を取る際に沈殿がコンタミしてしまうと、もちろん値は高く出る。初心者がやったときは 0.5 - 40% ぐらいの範囲になった。

続いてプロトコール。


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  1. 100 mg 程度の組織をチューブに入れ、正確に重量を測定。
  2. 10 倍量のバッファーを加え破砕。この際、ホモジナイザーは左のように溶液を激しく攪拌するものではなく、右のような「すり潰す」系のものを使用する。
  3. 800 x g, 4°C, 10 分間遠心。
  4. 上清を重量を測定済みのチューブに移す。
  5. 800 x g, 4°C, 15 分間遠心。
  6. 上清を全て除く。ミトコンドリアが沈殿するので、重量を測定し、サンプル重量との比からミトコンドリア含量を算出する。

このようにして単離したミトコンドリアは、PBS などに懸濁して、他のアッセイに使用することができる。

ミトコンドリアの単離には、スクロースやマンニトールなどの糖が伝統的に用いられている。おそらく最も一般的なのは 250 mM sucrose をベースとする緩衝液で、1955 年の文献 6 の時点で以下のような記述がある。

"In these experiments sucrose of 0.25 molarity without pH adjustment has been used in order to maintain the mitochondria in a rather sensitive state so as to make slightly deleterious effects of homogenization readily apparent."


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References

  1. ページ編集に伴い削除
  2. ページ編集に伴い削除
  3. ページ編集に伴い削除
  4. ミトコンドリア単離方法. Link: Last access 2023/04/12.
  5. Lampl et al. 2015a. Isolation and functional analysis of mitochondria from cultured cells and mouse tissue. J Vis Exp 23, 52076.
  6. Dounce et al. 1955a. A method for isolating intact mitochondria and nuclei from the same homogenate, and the influence of mitochondrial destruction on the properties of cell nuclei. J Biophys Biochem Cytol 1, 139-153.

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