甲殻類の殻を構成するムコ多糖 キチン: 構造、生合成など

UBC/carbohydrate/chitin

このページの最終更新日: 2024/03/18

  1. 概要: キチンとは

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概要: キチンとは

キチンは図 (Public domain) のような構造をもつムコ多糖である。

キチンの構造

昆虫、エビ、カニなどの 節足動物 は、クチクラ と呼ばれる硬い膜構造で体を覆っている (外骨格)。キチンはクチクラの主成分である。なお、「クチクラ」は表皮細胞から分泌された物質で構成される膜の総称で、特定の物質を意味する言葉ではない。

真菌類の細胞壁にもキチンが使われている。

グルコースの 2 位の炭素についている水酸基 -OH がアミノ基 -NH2 に置換されたアミノ糖、グルコサミン という。グルコサミンと、そのアミノ基がアセチル化された N-アセチルグルコサミンが β-1,4 結合で直鎖状に繋がったのがキチンである。

グルコサミンおよび N-アセチルグルコサミンの比は約 1 : 9 であり、N-アセチルグルコサミンがキチンの主成分であると言える。

キチンを濃アルカリの中で煮沸し脱アセチル化することで、キトサン chitosan を工業的に得ることができる。脱アセチル化が完全に進めば、キトサンは図 (Public domain) のようにグルコサミンだけで構成されることになる。しかし、市販のキトサンは N-アセチルグルコサミンが 30% 程度残っていることが多い。

キトサンの構造

References


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