精巣の概要

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2018/01/21 更新

  1. 概要: 精巣とは
  2. ヒト精巣の構造
    • 精巣の温度 (体温)
  3. 精巣捻転
    • 精巣捻転の症状

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精巣の概要

精巣とは、動物のオスがもつ生殖器の一つであり、ヒトでは睾丸 balls の内部にある陰嚢に包まれた構造である (図、ref 1)。英語では testicle で、論文でよく使われる testis は本来はラテン語である。


精巣の主な機能は以下の通り。

  • 精子 sperm を作る。この過程は精子形成 spermatogenesis と呼ばれる。
  • 精巣内のライディッヒ細胞が、男性ホルモンであるアンドロゲン androgen を合成、分泌する。

ヒト精巣の構造

ヒト精巣の構造は以下の通り (2)。一部の構造について、日本語名などを表にまとめる。


精巣・精子形成に関係する用語集

卵巣のページ に、卵巣・卵形成に関係する用語集があります。いくつかの用語は精巣・卵巣に共通して使われるので、両方のページをチェックすることをお勧めします。


精巣上体
Epididymis
[epididimis]

副睾丸とも呼ばれる。精巣と精管 ductus deferens を繋ぐ構造で、ここに精子が貯蔵される。ヒトでは頭部、体部、尾部に分類される。

精管
Ductus deferens

精巣上体に貯蔵された精子と尿道を繋ぐ、直径約 3 mm の管。平滑筋が発達しており、射精直前には蠕動運動によって精子を運搬する。

精索
Spermatic cord

精管には血管、神経、リンパ管などが並走しており、これらは被膜に包まれている。この直径約 1 cm の細長い構造を精索という。

精管と精巣上体が捻れてしまう現象を 精巣捻転 testicular torsion という。精巣への血流が低下するため、迅速な処置を必要とする。

精原細胞
Spermatogonia

青春期までに 30 回の分裂、その後 23回/年の分裂をする。ヒトでは老化とともに DNA ダメージが蓄積し、35 歳歳以降でとくに顕著となる (7D)。

排精
Spermiation

精子が精巣から輸精管内へ移動する現象のこと。


精巣の温度 (体温)

体温よりも 2 - 4 °C ほど低い必要がある。タンパク質の機能維持には、 HSP70 などの ストレスタンパク質 が重要な役割を果たしている。


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精巣捻転 testicular torsion

精巣捻転 testicular torsion とは、精管と精巣上体が捻れてしまう現象をいう。精巣への血流が低下するため、迅速な処置を必要とする。

精巣捻転は、発症時期によって 1 歳未満で起こるものと、思春期に起こるものの 2 つに分類される (3,4)。

精巣への血流が低下するため、具体的な組織へのダメージは虚血 ischemia によるもの、つまり低酸素 hypoxia であえる。一方、血流が回復する reperfusion のあとでは、活性酸素および活性窒素が発生し、アポトーシスを誘導するとされている。

以上は、心停止による脳へのダメージなど、一般的な虚血の場合に似ている。概要はすでにわかっていると言えるが、精巣には特殊な細胞が含まれているため、「精巣へのダメージとメカニズム」という観点では、未知の点が多く残されているとも言える。


精巣捻転の症状

精巣捻転の結果として、以下のような症状が報告されている。

  • 血中テストステロン量の低下 (5)
  • 不妊 (6)

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References

  1. By Nesnad - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
  2. By OpenStax College - Anatomy & Physiology, Connexions Web site. http://cnx.org/content/col11496/1.6/, Jun 19, 2013., CC BY 3.0, Link.
  3. Filho et al. 2004a. Spermatic cord torsion, reactive oxygen and nitrogen species and ischemia-reperfusion injury. Mol Aspects Med 25, 199-210.
  4. Lorenzini et al. 2012a. Long-term effects of the testicular torsion on the spermatogenesis of the contralateral testis and the preventive value of the twisted testis orchiepididymectomy. Acta Cir Bras 27, 388-395.
  5. Turner et al. 2005a. Experimental testicular torsion: reperfusion blood flow and subsequent testicular venous plasma testosterone concentrations. Urology 65, 390-394.
  6. Okorie 2011a. Unilateral testicular torsion with necrotic outcome: dilemmas of surgical timing. Urology 78, 1232-1234.
  7. Lu et al. 2010a. Parents’ ages at birth and risk of adult-onset hematologic malignancies among female teachers in California. Am J Epidemiol 171, 1262-1269.