ゲル濾過クロマトグラフィー

experiments/chromatography/gel_filtration
5-15-2017 updated

  1. 概要: ゲル濾過クロマトグラフィーとは
  2. 担体の選択

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概要: ゲル濾過とは

ゲル濾過 gel filtration は,カラムに多孔性ゲルを充填し,分子篩 (ふるい) 効果によって含まれる成分を分離する手法である (1)。分子量が大きいものほど早く溶出する。この性質から,size exclusion chromatography とも呼ばれる。

ゲル濾過はタンパク質 protein,ペプチド peptide,核酸 nucleic acid などの分離に用いられるだけでなく,分子量測定に用いることもできる (1)。さらに,タンパク質は塩よりも分子量が著しく大きいので,脱塩やバッファー交換にもゲル濾過を使うことができる。

実際にゲル濾過を行う前には,

  1. 担体
  2. カラム
  3. 流速
  4. サンプル量

などを決める必要がある。


担体の選択

実際にゲル濾過に使う担体を選ぶためには,まず目的をはっきり意識することが重要である。大まかに

  1. 脱塩,バッファー交換
  2. タンパク質の精製
  3. 分子量の測定

に分けることができる。まず GE Healthcare のゲル濾過担体 Sephadex G-75 のページ を参考に,担体の重要なパラメーターを一覧にしておく。とくに 排除限界 exclusion limit は重要な概念である。

パラメーター 意味
マトリックス
Matrix

担体を構成する分子。Sephadex G-75 は cross-linked dexatran からできている。

粒子サイズ
Particle size

Wet 90 - 280 µm, dry 40 - 120 µm。水につけると担体は膨潤する。

pH 安定性

2 - 10。一般に,ゲル濾過担体は広い pH で安定である。

流速
Flow rate

Darcy's law 以下の流速でビーズは安定であると書かれている。

Pressure/flow specidication min 90 cm/h, bed height 10 cm, column 5 cm i.d.
分画分子量
Fractionation Mr

球状タンパク質では 3 x 103 - 8 x 104,つまり 3 - 80 kDa。デキストランの場合は 1 x 103 - 5 x 104 と低い方へシフトする。

排除限界
exclusion limit

この分子量よりも大きい分子は分離されずに,まとまって溶出されるという分子量の値 (1)。 > 70 kDa なので,これより大きいタンパク質は分離されないことになる。

保存条件
Storage conditions

4 - 30°C。高温にもかなり安定。Wet form はオートクレーブも可能。


ゲル濾過では,サンプル濃度によって分離能が左右されることはない (2)。ただし,粘性が上がると分離能は低下する。一方,サンプルの液量が増えると分離能は低下する。脱塩ではカラム体積の 30% 前後,精製では 0.5 - 4% がサンプル液量の目安である。


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References

  1. ゲルろ過クロマトグラフィー 担体選択のポイント. GE ヘルスケア Link.
  2. バイオダイレクトメール No 24. タンパク質を大きさで分ける サンプル調製のポイント. Link.

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