水性溶媒 NMR 化学シフトの基準物質 TMS:
構造、使用法など
- 概要: トリメチルシリルプロパン酸 TMSP とは
- TMSP の使用方法
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概要: トリメチルシリルプロパン酸 TMSP とは
トリメチルシリルプロパン酸 (TMSP; trimethylsilyl propanoic acid) は図のような構造 (Public domain) をもつ化学物質で、水性溶媒を使った NMR の標準物質である (1)。
他によく使われる内部基準物質として、DSS がある。DSS の構造は TMSP と非常に似ており、右側の基がカルボキシル基であるか硫酸基であるかの違いのみである。
また、有機溶媒系の NMR では テトラメチルシラン TMS が用いられる。
TMSP の使用方法
Plasma などタンパク質の多い溶液では、TSP を内部標準に使ってはいけない。タンパク質に結合するため (2)。 水溶液系 NMR の内部標準は、DSS およびこの TMSP が汎用されるが、これらはいずれも血漿中でアルブミンに吸着し、信号強度が低下する (1)。またケミカルシフトも変化するので、血漿 NMR の内部標準としては適切でない。
具体的には、TMSP の信号強度は血漿を希釈して用いると急激に増大する (1)。何かに吸着していると思われる。同様の現象が DSS でも観察された。この報告では、ギ酸カルシウムがヒト血漿の内部標準として適当であることを示している。
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References
安藤 2012a .1H-NMR メタボロミクスの メタボロミクスの メタボロミクスの基礎技術開発と透析治療への応用. 東北大学博士論文.Beckonert et al. 2007a (Review). Metabolic profiling, metabolomic and metabonomic procedures for NMR spectroscopy of urine, plasma, serum and tissue extracts. Nat Protoc 2, 2692-2703.
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アップデート前、このページには以下のようなコメントを頂いていました。ありがとうございました。情報が得られ次第アップデートします。
2018/06/02 00:25 DSSとTMSPでは、ケミカルシフトに違いが出てくるのでしょうか? |