SDS-PAGE に使われる Laemmli buffer: 組成、使い方など

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このページの最終更新日: 2024/09/15

  1. 概要: Laemmli buffer とは

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概要: Laemmli buffer とは

Laemmli buffer は、SDS-PAGE でサンプルと混合する緩衝液である。通常は 2x の濃度で作られ、サンプルと 1 : 1 の割合で混合する。

組成は以下の通り。

  • 4% SDS, 20% グリセロ-ル, 10% 2-メルカプトエタノ-ル, 0.004% ブロモフェノールブルー, 0.125 M Tris-HCl (pH 約6.8) (Sigma)

分子内および分子間のジスルフィド結合を還元する 2-メルカプトエタノール、タンパク質を変性させて負電荷を付与する SDS、サンプルや泳動先端を可視化する色素ブロモフェノールブルー、およびサンプルの比重を上げるグリセロールを含む。

なお、SDS-PAGE の手法は Laemmli (文献 1) によって確立されたもので、SDS-PAGE の論文ではこの論文を引用することが多い。この論文は、2024 年 8 月時点、Google Scholar で 30 万回以上引用されている。個人的には、この風潮はあまり好きではない。PCR とか H & E 染色 とか、もとの文献を引用しない実験はいくらでもあるのに、この Laemmli だけやたらと引用するのは、単に「皆がそうしているから、なんとなく」ということなのではないかと思っている。ただ、もしかすると SDS-PAGE におけるこの論文の貢献が、他の実験方法よりも異常に大きいということなのかもしれず、何かわかったら更新する。

References

  1. Laemmli, 1970a. Cleavage of structural proteins during the assembly of the head of bacteriophage T4. Nature 227, 680-685.

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1. 概要