水性溶媒を使った NMR の標準物質 DSS: 構造、使用濃度など

UBC/reagents/d/dss

このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: DSS とは
  2. DSS の使い方

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概要: DSS とは

DSS は図のような構造 (Public domain) をもつ化学物質で、水性溶媒を使った NMR の標準物質である (1)。

DSSの構造

4,4-ジメチル-4-シラペンタン-1-スルホン酸 (4-dimethyl-4-silapentane-1-sulfonic acid) を略して DSS となるが、Sigma からは ナトリウム塩として販売されており、名前は 3-(Trimethylsilyl)-1-propanesulfonic acid sodium salt である (図, ref. 1)。


NMR標準物質y DSS の構造

このナトリウム塩は、以下のような名前で呼ばれることもある。

  • 2,2-Dimethyl-2-silapentane-5-sulfonate sodium salt
  • DSS sodium salt
  • Sodium 3-(trimethylsilyl)-1-propanesulfonate

その他の標準物質

DSS の構造は、同様に NMR の標準物質として使われる TMSP と非常に似ており、右側の基がカルボキシル基であるか硫酸基であるかの違いのみである。TMSP の構造、使い方などはリンク先を参照のこと。

また、有機溶媒系の NMR では テトラメチルシラン TMS が用いられる。これもリンク先に詳細がある。


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DSS の使い方

Sigma のページによると、DSS ナトリウム塩の 分子量 は 218.32、溶解度は 50 mg/mL である。

終濃度 1 mM で十分 なので、私はストック溶液を作って適宜 NMR サンプルに加えて使っている。

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References

  1. By <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Smokefoot" title="User:Smokefoot">Smokefoot</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY-SA 4.0, Link

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