ストレスタンパク質:
生体をストレスから守る 5 つのタンパク質ファミリー

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このページの最終更新日: 2021/09/21

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  1. 概要: ストレスタンパク質とは
    • ストレスタンパク質と染色体パフ
  2. ストレスタンパク質ファミリー
    • HSP110 ファミリー
    • HSP90 ファミリー
    • HSP70 ファミリー
    • HSP60 ファミリー
    • Small HSP ファミリー

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概要: ストレスタンパク質とは

ストレスタンパク質は、細胞が熱などのストレスに曝されたときに発現量が増大し、細胞を守る働きを示すタンパク質の総称である。

タンパク質の高次構造形成を補助する機能 があり、以下のような様々な細胞内プロセスに関与している。

  • 新しく合成されたタンパク質の折りたたみを助ける (分子シャペロン)。
  • 熱などのストレスによって変性したタンパク質を修復する。
  • 修復不能なタンパク質は、リソソームなどの分解系へ輸送する。

かつては、熱によって誘導されることから熱ショックタンパク質 (heat shock protein; HSP) と呼ばれたが、熱以外のストレスでも似たような働きを示すことから、現在はストレスタンパク質と呼ばれることが多い。

ストレスタンパク質の発現誘導を伴うような熱に対する応答を、熱ショック応答という。


ストレスタンパク質と染色体パフ

HSP 発見の経緯として、よく引用されるのが Drosophila の染色体パフである (図, Public domain)。

1962 年の論文で、Ritossa は熱ショック後にショウジョウバエ Drosophila の染色体に膨らみができることを報告した (2)。図はこの論文のものではないが、同様に熱ショック後のショウジョウバエの染色体を示したものである。a が熱ショック後、b が熱ショックを与えていないコントロール。縮尺は同一。

熱ショック後の染色体パフ

熱ショックによって、C1 という領域の上に、非常に大きなスペースが生じていることがわかる。

これは、染色体上で 転写 transcription が活発な部位である。したがって、Ritossa の発見は、熱ショックによって特定のタンパク質の転写が活性化することを示していた。このタンパク質がのちに同定され、HSP と名付けられたわけである。

もう少し、このあたりの研究の流れを見てみよう。Puff が RNA 合成の場であるということは、文献 2 のイントロで述べられており、この時点で既知であった。Puffing のパターンが異なることから、さまざまな状況に応じて異なる遺伝子が転写されるのだろうと予想されていた。この論文は、そのような背景のもとで温度変化の影響を調べたものである。Drosophila の唾液腺を使用。現在よく使われている D. melanogaster ではなく、D. busckii という種を使っている。D. melanogaster の結果は、別論文で報告すると書かれている。

この puff を単離したところ、DNA に相補的な RNA が含まれていたという報告。さらに、この RNA を in vitro translation すると、既に知られていた HSP が得られたという報告が続く。


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ストレスタンパク質ファミリー

ストレスタンパク質は、分子量およびアミノ酸配列の相同性から、5 つのファミリーに分けられることが多い。


HSP110 ファミリー

HSP110 family は、lower eukarhylotes のみがもつ HSP104 を含まない、110 kDa 前後のストレスタンパク質である。これは HSP70 と系統的に近く、HSP110-HSP70 superfamily として捉えるべきであるとする報告がある (1)。


HSP90 ファミリー


HSP70 ファミリー


HSP60 ファミリー


Small HSPs ファミリー

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References

  1. Easton et al. 2000a. The Hsp110 and Grp170 stress proteins: newly recognized relatives of the Hsp70s. Cell Stress Chaperones, 5, 276-290.
  2. Ritossa, 1962a. A new puffing pattern induced by temperature shock and DNP in Drosophila. Experientia 18, 571-573.

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