RNA ポリメラーゼ: 特徴、分類など

このページの最終更新日: 2024/12/01

概要: RNA polymerase とは

RNA polymerase とは DNA から RNA を転写する酵素である。以下のように少なくとも 5 種類に分類されており (1)、存在する生物種や転写する RNA の種類が異なる。

原核生物 prokaryotes の RNA ポリメラーゼは通常 1 種類で、この分子が mRNA, tRNA, rRNA の全てを転写する。大きなタンパク質複合体である。

2 個の α サブユニット、β、β'、δ および ω の 5 つのタンパク質が core enzyme を形成する (1)。ω サブユニットは転写活性に必要ではないが、タンパク質を安定化させる機能がある。

σ ファクターは、RNA polymerase のプロモーターへの結合を制御するタンパク質である (1)。これがないと、RNA polymerase はゲノム上のランダムな位置から転写を開始してしまう。

Rifamycin はバクテリアの RNA polymerase を阻害する抗生物質で、とくに結核 tuberclosis の治療に使われている (1)。

RNA pol I	全ての真核生物に存在する。大きな rRNA を転写する。ヒトの場合、5.8、18 および 28S rRNA の前駆体が転写される。8 から 14 のサブユニットから成る。
RNA pol II	全ての真核生物に存在する。転写するのは pre-mRNA, snRNA, snoRNA, miRNA など (1)。
RNA pol III	全ての真核生物に存在する。転写するのは tRNA, 5S rRNA, snRNA, miRNA など (1)。
RNA pol IV	植物に存在し、siRNA を転写する。siRNA の 90% 以上を転写しているとされる。
RNA pol V	植物に存在し、ヘテロクロマチン形成に関係する RNA を転写する。

T7 RNA polymerase はさまざまな生物に存在するが、ウイルス由来のものが有名である。転写に他のタンパク質を必要としないため、分子生物学実験によく用いられる。

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