メラノコルチン-3受容体

protein_gene/m/mc3r
5-22-2017 updated

  1. 概要: MC3R とは

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概要: MC3R とは

メラノコルチン melanocortin は、プロピオメラノコルチン (proopiomelanocortin; POMC) を前駆体とするホルモンの総称で、α-メラノサイト刺激ホルモン (α-MSH)、β-MSH, γ-MSH および副腎皮質刺激ホルモン (adrenocorticotropic hormone; ACTH) が含まれる。

メラノコルチンには、以下の受容体 melanocortin receptor が知られている。

MC3R
  • 35 の異なる神経核 nuclei で発現しているが、肥満との関わりは MC4R に比べて明らかでない (1I)。
MC4R
  • Energy homeostasis に関係し、この受容体の変異が過食性の肥満 hyperphagic obesity syndrome の原因となる (1I)。
  • レプチン leptin が正しく作用するために必要 (1I)。

発現部位

Arcuate nucleus, ventromedial hypothalamus, medial habenula, ventral tegmental area, raphe nucleus でmRNA が多いことが in situ hybridization で確かめられている (1I)。

POMC-positive neuron の投射を受ける神経で発現するが、POMC-expressing neuron でも発現がみられる。この神経では、MC3R は inhibitory autoreceptor として機能していると考えられている (1I)。

ノックアウトマウス

MC3R-/- mice は肥満を呈するが、これは diet-induced obesity (DIO) や MC4R-/- mice の肥満と様々な点で異なっている (1I)。

> MC3R-/- mice が肥満になるメカニズムを詳しく調べた論文 (1)。

: MC3R-/- mice は、飢餓で脂肪分解 lipolysis が起こらない。遊離脂肪酸量HSL 量などから。
: Basal corticosterone 量が高く、飢餓による corticosterone の誘導が起こらない。
: 飢餓による corticosterone 誘導に関わる neuropeptide Y や AgRP も、飢餓に応答しなくなっている。
: Corticosterone の挙動、他の論文で報告されている表現系は、クッシング症候群 の症状に近い。


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References

  1. Renquist et al. 2012a. Melanocortin-3 receptor regulates the normal fasting response. PNAS 109, E1489-E1498.