AMPA 型グルタミン酸受容体

protein_gene/a/ampa
8-24-2017 updated

  1. 概要: AMPA とは
  2. GluA1 knockout mice

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概要: AMPA とは

グルタミン酸 Glu は重要な神経伝達物質であり、以下の表のように複数の受容体が存在する (2I)。


タイプ 受容体 備考

イオンチャネル型
Ionotropic

APMA 受容体 GluA1 - GluA4 のサブユニットがある。Postsynaptic。
NMDA 受容体
カイニン酸受容体
代謝調節型
Metabotropic
mGluR family

AMPA 受容体は、サブユニット構造によって機能が異なる (2)。

GluA1 ノックアウトマウス

GluA1 ノックアウトマウスの表現型が詳しく解析されている。

神経の構造、電気生理など

Impaired synaptic plasticity, complex pattern of cognitive abnormality を示す (2I)。発生、寿命、神経細胞 neuron の微細構造は正常である。

Functional AMPA 受容体の数が低下、long-term potentiation に関係した異常が現れる (2I)。


行動

Locomotor hyperactivity, impaired spatial morking memory, impaired short-term memory (2I). Associated long-term spatial reference memory is intact. Short/long-term memory への影響が一致せず、場合によっては long-term memory が良くなっていることすらある。これは、生じている異常が極めて specific であることを意味する。

Pavlovian fear conditioning の異常 (2I)。Reward- and addiction-related task の異常 (2I)。多くの報告があるが、reward とその価値をうまく関係づけることができないため、依存的な応答を示すと考えられている。

これらの行動異常は、統合失調症 schizophrenia、双極性障害 bipolar disorder、うつ病 depression などでみられるものに近い (2I)。


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References

  1. ベアー コノーズ パラディーソ. 神経科学.

イラスト、コラムが充実した神経科学の本。生化学の教科書に例えるなら、雰囲気としてはヴォートよりもハーパーの生化学に近い。

ニューロン、グリア、活動電位といった神経科学の基本から、精神疾患やシナプス際構築など、かなり specific な話題にまで展開している。動物の行動実験についても例がたくさん載っているが、あくまで神経科学に関係する範囲で扱われており、実験方法の詳細が載っているわけではない。

また、付録としてヒトの脳の詳しい図が載っているのも役に立つ。よく見る地図だけでなく、血管の分布や様々な断面が載っていて、構造を理解しやすい。

  1. Barkus et al. 2012a. Do GluA1 knockout mice exhibit behavioral abnormalities relevant to the negative or cognitive symptoms of schizophrenia and schizoaffective disorder? Neuropharmacology 62, 1263-1272.