グルタミンの構造、機能、代謝: アンモニア解毒、神経伝達
- 概要: グルタミンとは
- グルタミンの生合成
- グルタミン - グルタミン酸サイクル
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概要: グルタミンとは
グルタミン glutamine は図 1 のような構造をもつアミノ酸である。略号は Q または Gln。
グルタミンには以下のような性質がある。
グルタミンの生合成
グルタミンは、下記のようにグルタミン酸にアンモニアが付加されて生じる。この反応は ATP 依存的であり、
グルタミン - グルタミン酸サイクル
グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質であり、グルタミン酸作動性 ニューロン からシナプス間隙に放出される。次の信号を伝えるためには、グルタミン酸がシナプス間隙から除去されなければならない。グルタミン酸を速やかに除去するための下記の一連のサイクルの
- ニューロンがシナプスにグルタミン酸を放出する。
- Glu はアストロサイトに取り込まれ、グルタミンシンセターゼ glutamine synthetase によってグルタミン Gln になる。
- Gln がアストロサイトからシナプスに放出され、ニューロンに取り込まれる。
- ニューロン内で Gln は Glu に変換され、再び神経伝達物質として利用される。
ラット大脳皮質では、このサイクルが脳内の Glu の 70 - 80% 程度を生み出している。残りは補充反応 anaplerosisによる (4)。体内のアンモニア濃度が高いと、補充反応の寄与が 30% 強まで増える (4)。
ニューロンで Gln から Glu を作る加水分解反応は、PAG (phosphate-activated glutaminase) が触媒する (3)。
References
- Sibson 2001a. In vivo 13C NMR measurement of neurotransmitter glutamate cycling, anaplerosis and TCA cycle flux in rat brain during [2-13C]glucose infusion. J Neurochem 76, 975-989.
- Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
- de Graaf et al. 2003a (Review). In vivo 1H-[13C]-NMR spectroscopy of cerebral metabolism. NMR Biomed 16, 339-357.
- Sibson et al. 1997a. In vivo 13C NMR measurements of cerebral glutamine synthesis as evidence for glutamate-glutamine cycling. PNAS 94, 2699-2704.
- Herzog et al. 2013a. Lactate preserves neuronal metabolism and function following antecent recurrent hypoglycemia. J Clin Invest 123, 1988-1998.
- Patel et al. 2005a. The contribution of GABA to glutamate/glutamine cycling and energy metabolism in the rat cortex in vivo. PNAS 102, 5588-5593.
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