NSF グラントの書き方
- 概要
- Biosketch
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概要
アメリカの医者も、その総本山である NIH も基本的に邪悪なので (単なる愚痴になりそうだが、なぜ邪悪かは気が向いたらまとめる)、それとの対比で NSF はなんとなく「良い」機関のような気がしてしまうことがある。
名前も Science Foundation だし、なんとなく政治にまみれた NIH よりも科学に基づいた清廉な機関のような印象を受けてしまうのである。しかしこれは大いなる間違いであり、NSF も原則として非常に邪悪な機関である。
具体的には、「教育」関係の人々が巣食っているのが NSF。彼らは、たとえば leadership とか problem solving ability とか active learning などという変な概念を発明し、古き良き「職人的教育」を破壊しようとしている。
もちろん、古い方法にも短所はたくさんあるが、とにかくやり過ぎなのである。ポリコレの科学版といえば近いだろうか。結果として、表面的・形式的な書類を多く書かなければいけなくなる。Biosketch の項目や、COA の共著者リストなどが良い例。これらは NIH にはない規定である。
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Bioscketch
つまり、申請者のプロフェッショナルな能力を示すものだが、integration や transfer に重きを置く。例としては、innovations in teaching and training; contributions to the science of learning; development and/or refinement of research tools; computation methodologies and algorithms for problem-solving; development of databases to support research and education; broadening the participation of groups underrepresented in STEM; and service to the scientific and engineering community outside of the individual’s immediate organization と書かれており、つまり社会貢献に近い。
箇条書きで書くのだが、一つの項目に複数の内容を含めてはいけないことになっている。このスライド では、conducting federal proposal reviews" と書くのは良いが "conducting proposal reviews for NSF, DOE, NIH, etc.” のように複数含めるとダメらしい。なんかアホらしい。
Collaborative and Other Affiliations Information (COA) information
過去 48 ヶ月以内の「
繰り返すが
つまり NSF は、私が論文を書いてやった学部生とか、関係ない分野に就職した修士の学生とかが査読者になるかもしれないと考えているのである。申請者には、査読者になりそうもない人を判断する能力・資格がないと。
家族などの項目には、さすがに would otherwise preclude their service as a reviewer と 書かれており、
ここで、例えば「祖母が含まれていない」という理由で減点した査読者がいたとしよう。うちの祖母は既に他界しているが、そのことをアピールするには一年後の申請を待たねばならないわけである。
申請者の利益という観点を全く無視した、非常に悪質な書類である。
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References
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