カテコールアミン: 構造、機能、作用、代謝など
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カテコールアミンに関する上位のページです
- 概要: カテコールアミンとは
- ドーパミン
- アドレナリン
- ノルアドレナリン
- カテコールアミンの生合成
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概要: カテコールアミンとは
アンモニア NH3 の水素原子を炭化水素基 R で置換した化合物をアミン amine という。(1)。
また、図の構造 (2) をカテコール catechol という。カテコール catechol を分子内にもつアミンが
![](../../images/wiki_public/Catechol.png)
英語の発音は [kɑtik
ドーパミン
ドーパミン dopamine は記憶・情動に大きな役割を果たし、
脳の一部の部位で合成される。構造は以下の通り (3)。詳細は ドーパミンのページ を参照のこと。
![](../../images/wiki_public/Dopamine.png)
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アドレナリン (エピネフリン)
アドレナリン adrenarine は興奮状態で分泌される。心筋を収縮させ、血圧や血糖値を上昇させる作用がある。構造は以下の通り (4)。
副腎髄質で合成されるほか、延髄でも機能している (5)。エピネフリン epinephrine も同じ物質である。
![](../../images/wiki_public/Adrenaline.png)
アドレナリンは副腎髄質ホルモンで,心筋を収縮させ,血圧および血糖値を上昇させる (5)。また骨格筋で解糖 glycolysis を促進し,肝臓では糖新生 gluconeogenesis を促進する。
神経伝達物質でもあり,延髄下部にアドレナリン作動性ニューロンの存在が確認されている (5)。
アドレナリンは 1895 年にキブルスキーによって他のカテコールアミンとの混合物として発見された。これは nadnerczyna と呼ばれた。これとは独立に,高峰譲吉らはウシの副腎からアドレナリンを発見し,1901 年に世界で初めて結晶化に成功した。
同時期に,アメリカ合衆国のエイベルはヒツジの副腎から分離した物質をエピネフリン epinephrine と名付けた。これはアドレナリンとは異なる物質であったが,高峰の死後,エイベルは高峰の研究は自分の盗作であると主張した。1960 年,エイベルの方式ではアドレナリンは抽出できないことが判明し,高峰の発見が再評価されつつある (5)。
現在ではアドレナリンもエピネフリンも同じ物質のことを指しているが,両者とも使われている。医薬系などで特定のルールがある場合もあるが,このページでは特に使い分けはしない。
アドレナリン受容体は 7 回膜貫通型の受容体である。蛇のようにうねりながら膜を貫通しているので,serpentine receptors とも呼ばれる。非常に大きな分子ファミリーである。
受容体にアドレナリンが結合した後のシグナルの流れは,概ね以下のようになる (図; Ref. 8)。
![](../../images/wiki_ccby/Activation_protein_kinase_C.png)
シグナルは G protein の GTPase activity によって収束する。これに加えて,アドレナリンシグナルの終了には以下の 2 つのタンパク質が関わっている。
β-adrenagic receptor kinase (also called G-protein receptor kinase 2, GRK2 がリガンドと結合した受容体をリン酸化する。フリーの受容体はリン酸化しない。
リン酸化された受容体には,β-arrestin が結合して受容体による G protein の活性化を抑制する。
- 受容体の細胞内ドメインが G-protein を活性化する。
- G-protein はアデニル酸シクラーゼ adenylate cyclase を活性化する。
- アデニル酸シクラーゼが ATP から cAMP を合成する。
- cAMP がプロテインキナーゼ A を活性化する。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリン noradrenarine の作用は、アドレナリンと類似している。 心拍数の増加、脂肪 の燃焼などが主な作用で、闘争または逃避の反応に繋がる。 |
![]() ノルアドレナリンの構造 (6) |
カテコールアミンの生合成
生合成経路は、以下の図のようになっている (7)。ポイントは
- チロシンが前駆体である。
- ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンの順に作られる。つまりこの 3 者の生合成経路は平行ではない。
![](../../images/wiki_ccby/Catecholamines_biosynthesis.png)
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References
- Amazon link:
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.
- By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
- By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
- By en:User:Cacycle (talk} - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
河合良訓 監修, 原島広至 文・イラスト (2005).
語源から覚える解剖学英単語集の第 3 段。 監修のことばにも書かれているが、脳は他の組織よりも構造が複雑である。それは、脳の領域が全体的に繋がっていて、区分がはっきりしていないためである。これに伴って用語にも混乱が生じており、たとえば脳幹 brain stem という単語が示す領域は文献によって異なっている (これもこの本に書かれていた)。したがって、良いアトラスを持っていることは脳について学習・研究するために非常に重要である。 この本は、ヒトの脳の様々な部位の名称が日本語と英語で対応づけて書かれていて、イラストも美しくわかりやすい。厚くはないが、 原著論文に出ている用語はほぼ網羅しているので、ぜひ手元に一冊置いておきたい本だ。 |
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- By NEUROtiker - own work, CC 表示-継承 3.0, Link
- By Yikrazuul - Own work; ISBN 978-3-8273-7312-0; ISBN 978-0781798754, CC BY-SA 3.0, Link
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