LNA プローブを用いた in situ ハイブリダイゼーション
UBC/experiments/tissue_staining/in_situ_lna
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概要: LNA プローブとは
LNA は locked nucleic acid の略で、リボース環の 2 位の酸素原子と 4 位の炭素原子がメチレン架橋された核酸 nucleic acid のことをいう (図、ref. 6)。
このページでは、LNA プローブを用いた in situ hybridization についてまとめる。In situ hybridization についての一般的事項は in situ hybridization のメインページ を参照のこと。簡単に原理を示した図 (Public domain) だけ載せておく。
LNA プローブの設計
一般に、プローブが長いと標的 mRNA との結合力が増し (Tm 値が高くなり)、検出感度が高くなる。ただし、細胞内へのプローブの浸透が弱くなる場合もあり、この場合は検出感度が低下してしまう。また、長いプローブの方が非特異的な結合も増えるので、バックグラウンドが高くなる。
プローブの長さは、以上のバランスを考えて設定する。RNA プローブでは、一般に数百から 1,500 塩基ぐらいである。これも、in situ のメインページ に詳しい情報がある。
長さ、LNA の数、Tm 値
LNA プローブでは、20 - 30 塩基で、半分以下程度の塩基を LNA にして Tm を 80 ˚C 前後にするのが一般的なようである。
miRNA を in situ で検出する場合、Tm は 80 - 90 ˚C ほどに設定されている (4)。
プローブ濃度は、ハイブリダイゼーションバッファー中 0.5 - 25 nM (3), 50 nM (5) など、いずれも nM オーダーでかなり低い。濃度が高いほどシグナルは上がるが、バックグラウンドも増える (5)。
> ニワトリ胚のホールマウント in situ (3)。
- 12 - 24 nts.
3 塩基ごとに LNA にする のが、Tm 値の上昇、バックグラウンドシグナル、ハイブリ温度のバランス的に最もよかった。 - RNA プローブには、DIG-labeled nucleotide は 10 - 15 nt に 1 個ぐらい取り込まれる。1 kb probe なら、約 75 個以上の DIG が含まれる。
- LNA プローブには、最高で 2 個 (3' および 5' 末端) しか DIG をつけることができない。
> LNA プローブを用いたカブの in situ 論文 (2)。
- 2 つのよく似た遺伝子を見分けるため、変異が多い領域で短いプローブを作成。
- GTAcatatccaacTGgCtctcGTTG のように、一部のみ LNA (大文字)、他は DNA (小文字)。25 塩基。
- 上のプローブだと、DNA, RNA, LNA含有のときに Tm はそれぞれ 57˚C, 67˚C, 82˚C。
- ドットブロットで特異性を確認、実際に in situ を行っている。DIG は 3' 側のみだが、長い DNA, RNA プローブよりも検出感度が高かった。おそらく細胞への浸透性が高いためか。
DIG の数
文献 4 に "We (unpublished observations) and others [15] have observed that double-DIG-labeled LNA probes produce significantly higher signal than single-DIG-labeled probes." という記述がある。
シグナルが単に 2 倍になるだけではない、ということなのだろうか。いずれにせよ、DIG は 2 つつけておいた方が良さそうである。
ただし、single DIG でも成功している例はたくさん存在する。文献 2 では、3' DIG のシグナルはドットブロットでは RNA probe (数多くの DIG を含む) よりも低いが、in situ ではむしろ高かったことから、細胞への浸透性が高いのかもしれないと議論している。
文献 5 では、5' DIG のプローブを 50 nM の濃度でハイブリに使い、NT2 cell line で miRNA を検出できている。
ハイブリダイゼーション
文献 3 の組成 (プローブ以外): 50% formamide, 5x SSC, 2% blocking powder, 0.1% Tween-20, 0.1% CHAPS, 50 mg/mL yeast RNA, 5 mM EDTA, 50 mg/mL heparin, and DEPC water.
Yeast RNA は、
広告References
- By J3D3 - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20727722.
石川ら、2010a. Locked nucleic acid (LNA) を利用した高性能ハイブリダイゼーションプローブの作製. 新潟大学農学部研究報告 63, 35-39.Darnell et al., 2010a. Whole mount in situ hybridization detection of mRNAs using short LNA containing DNA oligonucleotide probes. RNA 16, 632-637.Jørgensen et al., 2010a. Robust one-day in situ hybridization protocol for detection of microRNAs in paraffin samples using LNA probes. Methods 52, 375-381.Nouraee et al., 2010a. Assessment of tissue distribution and subcellular localization of miR-302 and miR-21 by means of in situ hybridization technique. J Cell Mol Res 4, 1-10.
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