核磁気共鳴 NMR: シムとは

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このページの最終更新日: 2024/07/13

  1. 概要: シムとは
  2. Bruker システムでのシム
  3. Bad shim の影響
  4. サンプルのスピン
  5. トラブルシューティング

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概要: シムとは

核磁気共鳴 NMR とは、外部磁場の中にある磁性核 magnetic nucleus が、固有の周波数の電磁波と相互作用する現象である。この外部磁場は、液体窒素や液体ヘリウムにより冷却した超伝導磁石で作られている。そのため、磁場は完全に均一ではない。シム shim とは、小さなコイルなどを使って磁場を均一性を高める作業のこと をいう。

磁場の均一性を判断する指標として、通常はロック lock 信号が使われる。磁場が均一になるほど、ロック信号のラーモア周波数の幅が小さくなり、その積算であるシグナル強度が強くなる。したがって、シグナルが強くなる方向にシムコイルの電流を調整すれば、磁場は均一になっていく。ただし、ロック信号には極大値があり、その周辺ではまってしまった場合には、大きく電流を調整しないと最大値を見つけられないケースが多々ある。

通常の NMR は、複数 (8 個以上) の shim coil をもつ。機械によって違うと思われるが、このように各コイルの shim value を見ることができる。

Y の値が -173980 と異常に大きいが、これはトラブル時の値である。クライオシムが一つ働かなくなり、それを room temperature シムで無理矢理補正してこのようになっている。

NMR shimの値

このとき、shim に使われているパワーが 7.711 W で、これはかなり大きな値なので、長期的にはコイルのオーバーヒートに繋がる可能性がある。クライオシムのチェックが必要な事案だった。

NMR shimの値

Bruker システムでのシム

他のシステムではどうかわからないが、Bruker TopSpin を使っている場合は、topshim 関連の一連のコマンドがシムのために用意されている。

デフォルトのシムコマンド topshim は Z 軸方向のシムのみを行う。XY 軸方向はサンプルによって変わることが少ないからである。もちろん、しばらく時間があいた後などには、XY 軸方向のシムも topshim 3d というコマンドで調整する必要があるが、これは時間が長くかかる。

TopShim の原理は gradient shimming である。

Bad shim の影響

実際に shim がピークにどう影響するかをみてみよう。更新予定。

サンプルのスピン

XY 軸方向の磁場の不均一性の影響を少なくするために、サンプルを回転させることがある。ややクラシックな方法であり、意味がないという人もいるが、1D scan の場合は未だに有効なことがある。以下、サンプルのスピンについて箇条書きにしておく。

  • Bruker では、デフォルトの回転数は 20 Hz。とくに変える必要はない。
  • Spin artifact として、回転数に応じた spike が現れることがある。Spin を試す際は、必ずスピンなしの scan も行い、比較する べきである。
  • NMR チューブにテープを貼ったりしている場合はとくに、spin させることによるバイブレーションがシグナルに影響する可能性がある。

トラブルシューティング

TopshimFieldMap - signal-to-noise is too low

topshim rga durmax=30 を試す。数字は 60, 120 を試しても良い (3)。

TopshimFieldMap - no valid data in sample centre


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References

  1. de Graaf 2007a (Book). In vivo NMR spectroscopy 2nd ed. John Wiley & Sons, Ltd. Amazon link.
  2. Kemp 1986a (1986) 化学・生化学・薬学・医学のためのやさしい最新の NMR 入門. Amazon link.
  3. Bruker Webinar Advanced Topshim.

実験書のページ に、その他の NMR 関係の本のレビューがあります。

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