NMRのプローブ: 種類、特徴など

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このページの最終更新日: 2020/05/27

  1. 概要: プローブとは
  2. クライオプローブ
  3. プローブの保護と cortab

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概要: プローブとは

プローブとは、NMR において実際に核スピンを励起し、NMR 信号を検出するコイルのことである (2)。磁場の中心に位置し、その中にサンプルを含む NMR チューブ が挿入される。

下の模式図は、今ではほとんど使われない永久磁石 NMR のもので、かつドイツ語であるが、プローブが磁場の中にあり、サンプルの近くに位置するイメージは掴めると思う。実際には、写真のように NMR の magnet の下に位置している。


プローブの模式図 (1)。

実際のプローブ (Public Domain)。


通常のプローブは、「サンプルに近い内側のコイル inner coil」と「サンプルから遠い外側のコイル outer coil」の 2 種類のコイルをもっている。

NMR の シグナル強度は、サンプルとコイルの距離の 6 乗に反比例する (3)。ゆえに、どのプローブを選ぶかは NMR 測定に際して非常に重要である。

種類 特徴

BBO, BBFO, QNP

それぞれ broad-band fluorine observe, broad-band observe および Quattro nucleus probe の略 (3)。最後のクアトロは、1H, 13C, 19F, 31P に特化という意味。

これらのプローブは、複数の種類の磁性核からのシグナルを観察することができる。ただし、1H が outer coil なので、1H からのシグナルは弱い。

一般に 1H NMR は 13C などに比べてシグナルが強いが、とくに少量のサンプルから 1H シグナルを得たいときなどは、1H が inner であるコイルの方が向いていることになる。

BBI

Broad-band inverse の略で、broad-band であり、かつ 1H が内側である。13C などの感度は低下するが、1H に興味があるときはこのプローブが良い。

TCI

Triple resonance inverse の略で、コイルの内側、外側とは無関係に、13C、1H、15N で高感度を得ることを目的にデザインされている (3)。この 3 つの核種は生物学的に重要なので、研究の方向性によっては TCI は貴重なオプションになる。



クライオプローブ

プローブは金属であるため、内部では電子が動き回っており、これがノイズとなる。プローブを冷やすことによってこのノイズを抑え、S/N 比を向上させたのがクライオプローブである。

S/N 比の向上は、常温プローブと比べて 5 倍程度 (3)。液体 ヘリウム を利用するのが基本だが、液体窒素のクライオプローブもある。

個人的には、よっぽど微量なものを検出することを目的とした NMR 以外では、コストに見合うだけの価値はまだないように思う。


プローブの保護と cortab

この Pdf ファイル に説明がある。

Power check is designed to protect probe from being damaged by excessing power. Since the transmitter power output over the whole frequency range is not perfectly linear, a procedure called cortab has to be performed on all observed nuclei. This requires special hardware and if it is all possible it should be done by a Bruker engineer. The cortab files are found in the directory.


つまり、transmitter power は全ての周波数域に対して線形ではないので、下手をすると過剰なパワーをかけてしまうことになる。これを防ぐために、パワー (単位は dB) と phase (? よくわからない) などの対応を示した表が必要となり、それを cortab という。

TopSpin フォルダの /conf/instr/spect/cortab にファイルがある。それぞれの核について個別のファイルがあり、Notepad などで開くと数字の対応が羅列されている。


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References

  1. By NMR-Spektrometer.png: Oguenther at de.wikipediaderivative work: David Meisel (Parexus at de.wikipedia) - このファイルの派生元: NMR-Spektrometer.png, CC 表示-継承 3.0, Link.
  2. NMR のプローブ. Bruker website. Link: Last access 2019/06/26.
  3. NMRのプローブと測定 (Bruker編). ケムステ. Link: Last access 2019/06/26.

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