Functional MRI: 原理、方法、利点など

experiments/mri (NMR, MRI の目次)/fmri
2018/05/23 更新


  1. 概要
  2. 基本的な前提
  3. Task-based & resting state fMRI
  4. fMRI シグナルのフィルター

広告

概要: fMRI とは

fMRI は、MRI の技術を応用して脳 brain の血流動態 hemodynamic changes を可視化する方法である。図 (4) のような画像が得られる。


最初の fMRI 論文は 1991 年に発表された。それ以来、fMRI に関する論文は1日に3報の割合で出版されており、2008 年現在では19,000に及んでいる (1)。

fMRI は、当初ヘモグロビンの酸化度を利用した BOLD 信号に基づいた画像処理法として開発されたため、一部では BOLD の別名というような説明が見受けられる。しかし、脳の血流動態は、BOLD だけでなく tissue perfision や blood-volume changes を MRI で測定することによっても検出できる(1)。したがって、BOLD は fMRI とイコールではなく、fMRI の一手法として理解するのが妥当と考えられる。

文献 1 では、fMRI のメリットとして以下の点を挙げている。時間解像度は数秒 〜 1秒以下である(2)。

 

  1. 非侵襲性 noninvasive nature
  2. 可用性 ever-increasing availability
  3. 空間的および時間的解像度の高さ relatively-high spatiotemporal resolution
  4. 脳全体を観察できること capacity to demonstrate the entire network of brain areas

また、fMRI のデメリットとして、血流動態を測定することの限界が指摘されている(1)。すなわち、

 

  1. 物理的な影響と、生物学的な影響の両方を受けること。"It measures a surrogate signal whose spatial specificity and temporal response are subject to both physical and biological constraints"
  2. 神経の mass activity を測定してしまうこと。

 

1 は、たとえばある実験区と対照区で比較を行うときに、実験中の血中酸素濃度などの影響も出てしまうということだろうか?

 

2 は、たとえばある部位に含まれる興奮性と抑制性の神経が両方活性化したとき、fMRI で測定されるのは両方の神経が必要とする血流の和である。しかし、興奮性/抑制性の神経がどのような割合で活性化されているかによって、fMRI で得られる数値の意味は全く異なってしまう。


広告

fMRI に限らず、多くの脳研究では「脳の各部分がそれぞれの機能を担っており、その集合として意識が存在する」という前提に立っている。

仮に、脳のネットワーク全体で単一の機能を果たしているならば、部位ごとに脳の血流動態を可視化するという fMRI は意味のない手法になってしまう。幸いにも、現在までのデータはこの仮説を裏付けるものである(脳機能局在論 Wikipedia)。

fMRI 実験は大きく2つに分類することができる。

一つは task-based fMRI で、何らかの刺激(光、音などの感覚刺激、問題を解かせる、特定の画像を見せるなど)を与えて反応をみるものである。もう一つは resting-state fMRI で、刺激のない状態での血流動態をみるものである。両者の大きな特徴は以下の通り。

  • ヒトの場合、とくに外的な刺激がなくてもいろいろ思考をしている。とくにヒトの実験は麻酔をかけない状態で行われることが多いため、実際には resting state ではない場合が多く、個人差も大きい。
  • 脳は resting state でも活発に活動しており、task で増える BOLD signal はわずか 1 - 5% である。
広告

コメント欄

各ページのコメント欄を復活させました。スパム対策のため、以下の禁止ワードが含まれるコメントは表示されないように設定しています。レイアウトなどは引き続き改善していきます。「管理人への質問」「フォーラム」へのバナーも引き続きご利用下さい。

禁止ワード: http, the, м (ロシア語のフォントです)


このページにコメント

Name:


Comment:



これまでに投稿されたコメント

Date Name Comment

References

  1. Logothetis 2008a (Review). What we can do and what we cannot do with fMRI. Nature 453, 869-878.
  2. 山本 2007a. デオキシヘモグロビンとfMRI信号の多様な関係. J Jpn Coll Angiol 47, 5-10.
  3. Shmuel et al. 2006a. Negative functional MRI response correlates with decreases in neuronal activity in monkey visual area V1. Nat Neurosci 9, 569-577.
  4. By 英語版ウィキペディアWashington irvingさん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link

写真素材無料【写真AC】

新しく写真の提供を始めました。どんどん追加していきますので、無料登録後に Ultrabem の写真 をご覧下さい。詳細は こちら に。