生物多様性について:
定義、階層、調べ方など

UBC/environment/ecology/biodiversity

このページの最終更新日: 2022/07/26

  1. 概要: 生物多様性について
  2. 遺伝的多様性について
  3. 種多様性について
    • α 多様性
    • β 多様性
    • γ 多様性
  4. 生態系多様性について

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概要: 生物多様性について

生物多様性に関する概念は、以下のように階層化されている (チャート式シリーズ 新生物 生物基礎・生物, Amazon link)。


  • 生物多様性 biodiversity
    • 遺伝的多様性 genetic diversity
    • 種多様性 species diversity
      • 種の多様さ (豊富さ) species richness
      • 種の均等度 species evenness
    • 生態系多様性 ecosystem diversity

遺伝的多様性について

遺伝的多様性 は、種内の多様性を表す概念である。たとえば イヌ は一つの種だが、大きい犬、小さい犬などの多様性がある。


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種多様性について

種多様性 には、種の豊富さ species richness と均等度 species evenness の 2 つの種類がある。詳細は 種の豊富さと Rarefaction curve のページにまとめた。

また、どのサンプルを用いて多様性を論じるかによって、α、β、γ 多様性という概念がある (1)。

α 多様性

1 つのサンプルにおける多様性 を表す指標であり、値が大きいほど種の多様性が高い。以下のように多数の指標があり、種の豊富さを重視するもの、均等度を重視するものなど様々である。

Shannon 指数

最もよく使われている指標 で、サンプル全体に対する種の割合に基づく (1)。s は全体の種の数、pi は種 i の個体数が全体の個体数に占める割合である。全ての個体から 1 個体をランダムにサンプリングしたとき、その種の個体が得られる確率と言ってもよい。

Shannon指数

Simpson 指数

これもよく使われる指数である。s および pi の定義は Shannon 指数と同じ。

Shannon指数

このほか、次のような指数もある。

  • Chao1: 種の豊富さを重視、とくに希少種に重みをつけた指標 (1)。
  • Pielou's eveness index: 均等度を重視する指標。

β 多様性

α 多様性はサンプル固有の値を与える指標であるが、β 多様性は 2 サンプル間での多様性の差 を示す指標である。したがって「・・距離」という名前の指標が多い。

Jaccard 距離

Jaccard 係数および Jaccard 距離は「2 つの集合がどのくらい似ているか」を示す概念で、生物多様性以外にも使われる。両者は以下のような関係にある。

  • Jaccard 係数 (Jaccard index) = Jaccard similarity coefficient: 2 つの集合がどれくらい 似ているか
  • Jaccard 距離 (Jaccard distance): 2 つの集合がどれくらい 似ていないか
  • Jaccard 係数 + Jaccard 距離 = 1 という関係が成り立つ。

Jaccard 係数は、以下の式で表される (参考)。

Jaccard係数

この式の意味するところは、「A かつ B」/「A または B」である。下のベン図 (Public domain) がわかりやすいだろう。

Jaccard係数の計算、A かつ B

「A かつ B」

Jaccard係数の計算、A または B

「A または B」


Bray-Curtis 距離

Bray-Curtis 距離も、2 つの群集がどの程度似ていないかを表す指標である。群集が全く異なるときには 1 を、同じときには 0 をとる。

  • Unifrac 距離 – weighted と unweighted がある。

γ 多様性

対象とする全ての環境の種多様性。α および β 多様性の積。α よりも 広い地域で考える。

生態系多様性について

生態系多様性 は、生物だけでなく生息環境の多様性をも含む概念である。つまり、森林、川など様々な生息環境があること、種間関係が多様であること、物質循環が多様であることなどがここに含まれる。


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References

  1. α 多様性と β 多様性.Link: Last access 2020/10/22.
  2. Qiime2 を用いた 16S rRNA 菌叢解析.Link: Last access 2020/10/22.
  3. 土居、岡村 2011a. 生物群集解析のための類似度とその応用: R を使った類似度の算出、グラフ化、検定. 日本生態学会誌 61, 3-20.

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