種の豊富さと rarefaction curve:
生態学や腸内細菌叢の論文で頻出
UBC/environment/ecology/species_richness
このページの最終更新日: 2024/02/14- 概要: 種の豊富さとは
- Rarefaction curve の意味
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概要: 種の豊富さとは
種の豊富さとは、生物多様性の指標の一つである。生物多様性は、以下のように階層化された概念である (チャート式シリーズ 新生物 生物基礎・生物, Amazon link)。
- 生物多様性 biodiversity
- 遺伝的多様性 genetic diversity
- 種多様性 species diversity
- 種の多様さ (豊富さ) species richness
- 種の均等度 species evenness
- 生態系多様性 ecosystem diversity
それぞれの項目が何を意味するかなどの詳細は、生物多様性 のページにまとめた。
種多様性 species diversity には、種の豊富さ species richness および均等度 evenness (または equability) の 2 つの指標がある。
種の豊富さ は、単に集団に含まれる種の数を示す値。多い方が多様性が高い。均等度 は、複数の種の個体数まで考えた指標である。例えば 5 種 100 個体の集団があったとして、各種が 20 個体ずつ存在しているなら、この集団は均等である。しかし、1 種が優勢で 96 個体、他の種が 1 個体ずつしかいないなら、種の豊富さは高いが多様性は低い。
以上のように、種の多様性は species richness および evenness の両者を考慮して決まる指標であり、diversity index という数値で表される。
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Rarefaction curve の意味
レアファクション解析 rarefaction analysis は、種の豊富さを調べるための解析である (1)。基本的な考え方は以下のとおり。
- 種の数を数えるにはサンプリングが必要。
- 古典的な生態学では観察やトラップであり、近代的な手法なら次世代シークエンサーのアセンブル結果から種をカウントする方法がよく使われる。
サンプリングの数が多いほど、種の数も多くなる であろう。したがって、サンプリング数が違う場合には複数の集団の種数を比較できない。- サンプリングの数を増やすに連れて、観測される種の数は「真の種の数」に近づいてゆく。
- サンプリング数と観測数から、集団の種の豊富さを統計的に調べるのがレアファクション解析である。
解析は、以下のような rarefaction curve (2) を描くことで行われる。
Mothur というソフトウェアが解析に使われるようである。
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References
- 腸内細菌の論文が読める様になりたい臨床医へ (2) レアファクション解析. Link: Last access 2018/01/06.
- By Julie Huber and Mitchell Sogin - http://nai.nasa.gov/team/index.cfm?page=projectreports&teamID=20&year=9&projectID=1978, Public Domain, Link
- 地中海ブログ 生物多様性について1:シャノン=ウィーバー指標. Link: Last access 2018/01/09.
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