白血病 Leukemia: 病態、分類など
- 概要: 白血病とは
- AML の病態
- がんの「幹細胞」説
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概要: 白血病とは
白血病 leukemia は「血液 の がん」と呼ばれる病気である。急性/慢性の区別と、腫瘍化する細胞の種類によって以下のように分類されている。
一方、
急性 |
急性骨髄性白血病 | 英語では acute myeloid leukemia で AML と略される。もっとも多くみられるタイプの白血病で、アメリカでは 3 - 5 人/10 万人の発症率である (1)。 加齢とともに発症率は上がり、高齢の患者ほど予後が悪い。 |
急性リンパ性白血病 | Acute lymphoblastic leukemia, ALL。 | |
慢性 |
慢性骨髄性白血病 | Chronic myeloid leukemia, CML。 |
慢性リンパ性白血病 | Chronic lymphoblastic leukemia, CLL。 |
以上からわかるように、白血病は「白血球が増える病気」ではなく、正常な血球生産を支えるシステムに異常が起こる病気である。
AML の病態
染色体 の異常や遺伝子の変異が原因である。増殖に関連する遺伝子の変異 class I mutation と、分化に関連する遺伝子の変異 class II mutation が原因とする
急性リンパ性白血病 ALL の病態は AML と似ているが、慢性の CML の場合は大きく異なっている。
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がんの「幹細胞」説
これは多くのがんに適用されると考えられている仮説であるが、造血幹細胞 hematopoitetic stem cells の分化についての知見がとくに多いため、白血病でよく知られている概念である (2)。
この仮説では、
- 活発に増殖しているがん細胞
- がん細胞を生み出している cancer stem cell
を別々の細胞として考える (2)。Cancer stem cell は薬に対して耐性があり、さらに抗がん剤の多くは 1 を標的としている。
したがって、一見がんが治っても、cancer stem cell はまだ増殖を続けている。数年後にがんが再発するという現象は、この仮説でよく説明することができる。
References
De Kouchkovsky & Abdul-Hay 2016a (Review). Acute myeloid leukemia: a comprehensive review and 2016 update. Blood Cancer J 6, e441.- Amazon link: 水島 (訳) 2015a. イラストレイテッド細胞分子生物学.
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