コレステロール

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3-29-2017 updated

  1. 概要: コレステロールとは
  2. 膜成分としてのコレステロール
  3. 血中コレステロール濃度と健康
    • 総コレステロール
    • 善玉コレステロール、悪玉コレステロール
  4. コレステロールの生合成

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概要: コレステロールとは

コレステロール cholesterol は、4 個の炭素環を基本骨格とするステロイド steroid の一種である (図, ref 3)。5 員環に炭素鎖が結合しており、その反対側にヒドロキシル基 -OH がある。



コレステロールは、以下のような重要な生化学的特徴をもっている。

  • 生体膜 biological membrane の重要な成分である (1)。分子内の極性の分布から、細胞膜中ではリン脂質の脂肪酸と平行に配列し、比較的極性の高いヒドロキシル基がリン脂質の head 部分に近くに位置する。
  • 胆汁酸の成分である (6)。
  • ステロイドホルモン合成の材料である (6)。
  • 血中の総コレステロール濃度が 240 mg/dL を超えると、動脈硬化の発症率が急上昇する (2)。また、LDL コレステロール量は動脈硬化の危険因子としてよく用いられている。

原核生物 prokaryotes はコレステロールをもたないが、それ以外の全ての生物に存在すると考えられている。神経細胞で含量が高く、ときには膜脂質の 25% を占める (1)。


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膜成分としてのコレステロール

コレステロールは、上の図で左下に位置する OH 基が高い極性をもち、かつ右上の炭化水素鎖部分の極性は低いという両親媒性 の分子である。つまりリン脂質などと同じで、このために生体膜の主成分として使われている。

生体膜では、コレステロールは下の図 (4) のマル 7 で表されるように、リン脂質と平行に、なかば埋もれるようにして膜の中に含まれている。コレステロールの大きさは約 1.5 nm ほどであり、これがややリン脂質よりも小さいためにこのような配置になる。もちろん、コレステロールの極性もこの配置に重要である。


とくに、不飽和脂肪酸は分子が折れ曲がっているので、細胞膜内にスペースが生じる。コレステロールはそのスペースに入り込み、膜の構造強化に寄与している。


血中コレステロール濃度と健康

コレステロールは生体膜の主成分であるほか、リポタンパク質の成分として 脂質の輸送にも関わっている。つまり、貯蔵脂質であるトリアシルグリセロールを取り囲み、リポタンパク質としてこれを水に溶ける形にすることで、血液を介した脂質の輸送を可能にしている。


総コレステロール

血中の総コレステロール量は、高脂血症を調べる指標として使われている (6)。総コレステロール量 130 - 230 mg/dL が正常値 であり、高血中コレステロールレベルは心疾患のリスクと相関している。

総コレステロール量は年齢、性差、食事などによって変動する (6)。ただし、1 回の食事によって変動するというよりは、持続的な食習慣を反映する。

総コレステロールには、

  • 脂肪酸とエステル結合したコレステロールエステル (コレステリルエステルとも呼ばれる)
  • 遊離コレステロール

があり、それぞれ約 70% および 30% を占める (6)。

また LDL に約 75%、HDL に約 25% が存在する (6)。これらはいわゆる「悪玉」および「善玉」コレステロールと呼ばれ、健康を管理する上で重要な指標である (ページ下を参照)。


> 総コレステロール量は、たとえば食後のラットで 106 mg/dl (2)。
  • なお、ニジマスでは 303 mg/dl で、血中総脂質量 (1940 vs 685 mg/dl)とともに約 3 倍高い。
  • 血液中の総コレステロールが 240 mg/dL よりも高いと、動脈硬化の発症率が急激に上昇する。

善玉 & 悪玉コレステロール

いわゆる善玉および悪玉コレステロールと呼ばれるのは、それぞれ HDL および LDL に含まれるコレステロールのことである (2,6)。

LDL はコレステロールを組織に輸送する役割を果たしており、これが多いと動脈内にコレステロールが沈着し、動脈硬化などの原因となる。

一方、HDL はコレステロールを肝臓に回収する機能があり、血管壁にこびりついているコレステロールを肝臓に戻すことができる。

HDL コレステロール量の正常値は、

  • 男性: 32 - 65 mg/dL
  • 女性: 35 - 70 mg/dL

である (6)。


コレステロールの生合成

> 生体に必要なコレステロールの約半分は、生合成されたものである (5)
  • およそ 700 mg が一日に生合成される。
  • ヒトでは、肝臓と腸がそれぞれ 10% ずつ生合成するが、おそらく全ての有核細胞で生合成が可能である。
  • 生合成は、細胞質および小胞体で起こる。

肝臓で生合成されたコレステロールは、VLDL として血中に放出される (6)。


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References

  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  2. 岡崎 2010a (Review). LDL コレステロールとは? その測定法の問題点と解決策は? オレオサイエンス 10, 471-475.
  3. By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1528606
  4. By real name: Artur Jan Fijałkowskipl.wiki: WarXcommons: WarXmail: [1]jabber: WarX@jabber.orgirc: [2]consultations: Masur - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link.
  5. Amazon link: ハーパー生化学 30版.
  6. 高見 検査値で読む人体.