レスベラトロール: CR に似た作用を示すポリフェノール

UBC/reagents/r/resveratrol

このページの最終更新日: 2025/01/05

  1. 概要: レスベラトロールとは
  2. 食品中のレスベラトロール含量
  3. レスベラトロールの生合成

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概要: レスベラトロールとは

レスベラトロール resveratrol は図 (Public domain) のような構造をもつポリフェノールである。投与によって寿命が延長することが線虫、ショウジョウバエ、マウス などで知られているほか、ヒトでも様々な健康促進作用があり、注目を集めている。

レスベラトロールの構造

Sirtuin の活性化がメカニズムとして有力であり、その効果は カロリー制限 に似ているとされる。

食品中のレスベラトロール含量

レスベラトロールを多く含むことが知られる食品中の含量は、おおよそ以下の通り。

赤ワイン

0.2 - 5.8 mg/L

「フランス人は飽和脂肪酸の消費量が高いのに、coronary heart disease にかかりにくい」という French paradox があり、フランス人が消費する赤ワインのレスベラトロールで説明されるらしい (1)。

赤ブドウ

0.15 - 0.78 mg/100 g

ピーナッツ

0.18 - 0.71 mg/100 g

レスベラトロールの生合成

レスベラトロールは、2 つのベンゼン環がエチレン基で繋がった C6-C2-C6 構造をもつスチルベン stilbene に水酸基がついたものであり、IUPAC 名は 3, 5, 4'-trihydroxy-trans-stilbene である。参考に、スチルベンの構造も示しておく (public domain)。cis 型と trans 型があるが、cis 型は芳香環が立体的に干渉するので不安定である。

trans-およびcis-スチルベンの構造

レスベラトロールは、他の多くのフラボノイド同様に、L-チロシン から合成される。まずチロシンが TAL の作用によって 4-coumaric acid になり、これが 4CL によって coumaroyl-CoA となる。これがマロニル CoA と縮合してレスベラトロールができる。レスベラトロール合成反応を触媒する stilbene synthase (STS) は、type III polyketide synthase である。


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References

  1. Ibrahim et al., 2020a. Resveratrol production in yeast hosts: current status and perspectives. Biomolecules 11, 830.

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このページの目次

1. 概要
2. 食品中の含量
3. 生合成