レスベラトロール: CR に似た作用を示すポリフェノール
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概要: レスベラトロールとは
レスベラトロール resveratrol は図 (Public domain) のような構造をもつポリフェノールである。投与によって寿命が延長することが線虫、ショウジョウバエ、マウス などで知られているほか、ヒトでも様々な健康促進作用があり、注目を集めている。
Sirtuin の活性化がメカニズムとして有力であり、その効果は カロリー制限 に似ているとされる。
食品中のレスベラトロール含量
レスベラトロールを多く含むことが知られる食品中の含量は、おおよそ以下の通り。
赤ワイン |
0.2 - 5.8 mg/L |
「フランス人は飽和脂肪酸の消費量が高いのに、coronary heart disease にかかりにくい」という French paradox があり、フランス人が消費する赤ワインのレスベラトロールで説明されるらしい (1)。 |
赤ブドウ |
0.15 - 0.78 mg/100 g | |
ピーナッツ |
0.18 - 0.71 mg/100 g |
レスベラトロールの生合成
レスベラトロールは、2 つのベンゼン環がエチレン基で繋がった C6-C2-C6 構造をもつスチルベン stilbene に水酸基がついたものであり、IUPAC 名は 3, 5, 4'-trihydroxy-trans-stilbene である。参考に、スチルベンの構造も示しておく (public domain)。cis 型と trans 型があるが、cis 型は芳香環が立体的に干渉するので不安定である。
レスベラトロールは、他の多くのフラボノイド同様に、L-チロシン から合成される。まずチロシンが TAL の作用によって 4-coumaric acid になり、これが 4CL によって coumaroyl-CoA となる。これがマロニル CoA と縮合してレスベラトロールができる。レスベラトロール合成反応を触媒する stilbene synthase (STS) は、type III polyketide synthase である。
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References
- Ibrahim et al., 2020a. Resveratrol production in yeast hosts: current status and perspectives. Biomolecules 11, 830.
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