不凍液にもなる便利な溶媒 DMSO:
構造、特徴、終濃度など
- 概要: DMSO とは
- 生物学実験での DMSO の使われ方
- 不凍液として
- 溶媒として
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概要: DMSO とは
DMSO (dimethyl sulfoxide) とは、図 (Public domain) の構造をもつ安定な化合物である。多くの有機および向き化合物を溶かす能力がある一方で、水 とも自由な割合で混ぜることができる (2) ため、溶媒 solvent として広く使われている。
物理的な正常は以下の通り (2)。
無色無臭の液体、融点 18.42°C、沸点 189°C、比重 1.1014。カルボアニオンやカルボカチオンを反応中間体とする反応などにこの溶媒を用いると、著しい加速効果が認められる。酸化剤としても用いられる。
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生物学実験での DMSO の使われ方
不凍液として
細胞を凍結する際などに、10% 程度の終濃度で添加する。不凍液であるため、ゆっくりと温度を下げ、針状結晶の生成を抑制する。
溶媒として
培養細胞に脂溶性の薬剤を添加したい場合に、DMSO に溶かして培地に添加という方法がとられることがある。これは、DMSO が有機溶媒を溶かし、水ベースの培地とも混ざり、さらに細胞への毒性が比較的低いためである。
薬剤を溶かして 凍結乾燥 したい場合は、DMSO は沸点が高く飛びにくいので注意が必要である (4)。
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References
- ページ編集に伴い削除
- 岩波 理化学辞典 第 4 版.
このサイトでは、私が持っている 1987 年の第 4 版を引用していることが多い。1998 年に第 5 版が発行されている。 ネット情報の問題点の一つは、信頼できる定義になかなか出会えないことである。Wikipedia には定義らしいことが書いてあり、普段の調べ物には十分なことも多いが、正式な資料を作るときにはその引用は避けたいものである。 そんなときに役に立つのが理化学辞典や生化学辞典。中古でも古い版でもよいので、とにかく 1 冊持っておくと仕事がはかどる。 |
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