Toll-like receptors: 自然免疫の主役になる膜タンパク質

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: Toll-like receptor とは

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概要: Toll-like receptor とは

Toll-like receptor (TLR) は、自然免疫 innate immune system の主役になる分子である。

TLR は 1 回膜貫通型の受容体である。細胞外に右図のようなロイシン leucine に富んだ leucine-rich repeat があり、ここで病原性物質に結合する (1)。

一般に、TLR は病原性物質に共通して存在する分子の構造を leucine-rich repeat で認識して結合する。この「病原性物質に存在する共通パターン」を pathogen-associated molecular pattern (PAMP) という (1)。

Leucine-rich repeat は、PAMP を巻き込むような特殊な構造をとっている。



TLR3 の Leu-rich repeat (2)

哺乳類はいくつかの TLR をもっており、それぞれが典型的な病原菌の成分に対応している。

TLR2 TLR2 は TLR1 または TLR6 とハイブリッド受容体を作り、グラム陽性菌のペプチドグリカンや酵母の zymosan などを認識する (4)。
TLR3 Double-stranded RNA を認識する。
TLR4 グラム陰性菌の細胞壁に存在する糖である lipopolysaccharide (LPS) に結合する (1)。
TLR5 バクテリアの flagellin を認識する。
TLR6 バクテリア DNA に多い構造である unmethulated CpG motifs を認識する。

TLR シグナル

TLR4 の下流シグナル (Public domain)。


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References

  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  2. By Andrei Lomize - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=34115103
  3. ページ編集に伴い削除
  4. Medzhitov 2001a (Review).Toll-like receptors and innate immunity. Nat Rev Immunol 1, 135-145.

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