ドーパミン受容体: 各種精神疾患に関係する受容体

UBC/protein_gene/d/dopamine_receptor

このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: ドーパミントランスポーターとは
  2. 大腸菌のドーパミン取り込み

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概要: ドーパミントランスポーターとは

細胞外に放出された神経伝達物質 ドーパミン dopamine の再取り込みを行うトランスポーターである。ヒトでは SLC6A3 という遺伝子にコードされる。他の神経伝達物質のトランスポーター serotonin transporter (SERT), norepinephrine transporter (NET), glycine transporter (GlyT), GABA transporter (GAT) など類似した構造をもち、neurotransmitter sodium symporters (NSS) と呼ばれる。SLC6 ファミリーに属する。

ドーパミン作動性神経 dopaminergic neuron に特異的に存在する。黒質 substantia nigra から線条体 striatum にドーパミン神経が投射しており、ここで発現量が高い (2)。また、midbrain, striatum, 海馬 hippocampus でも発現が高い (1)

前頭前野皮質 prefrontal cortex は、dopaminergic neuron の重要な投射先だが、ここでの存在量は少ない (1)。Prefrontal cortex では、COMT の発現量が高い。


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文献 1 から引用。

DAT1 遺伝子は15のエクソンから成り、15 番目のエクソンに40 bp の繰り返し配列がある。この数に 3 - 13 回という多型があり、9 および 10 回がもっとも多い。

10 回繰り返しの遺伝子は、9回より発現量が高い。したがって、シナプスからのドーパミンのクリアランスが早いことが予想される。

図は、何らかの報酬(食事など。ドーパミンの分泌を活性化させる)が期待される際の、線条体 striatum などの活性を調べた実験である。ヒトがもっている2セットの遺伝子で、繰り返し数が 9回/9回(9R)または 9回/10回(9/10R)のヒトは、10回/10回(10R)のヒトよりも caudate nucleus や striatum における fMRI シグナルが強いことがわかる。

これは、報酬に対する期待の度合いが遺伝子型によって変わる可能性を示している。

「報酬に対する期待の強さ」とは、たとえば美味しそうな食べ物を目の前にしたときに、それを食べるかどうかの判断と関係する。また、薬物やアルコール異存にも報酬系が関係している。したがって、遺伝子型が過食症やアルコール依存症のリスクと関係する可能性がある。

メモ: DAT と DJ-1 というタンパク質を HEK293 で共発現させ、DJ-1 がドーパミン取り込みを促進することを 3H-dopamine で示した 論文


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References

  1. Dreher et al. 2009a. Variation in dopamine genes influences responsivity of the human reward system. PNAS 106, 617-622.
  2. 名取、服部 2010a. ドパミントランスポーター. 生体の科学 61, 402-403.

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