節足動物門 Arthropoda: 昆虫、甲殻類、クモなど
- 概要: 節足動物門とは
- 節足動物の体の構造に関する用語
- 節足動物門に含まれる分類群
- その他未整理
- モンハナシャコ
- カニ類の幼生
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概要: 節足動物門とは
節足動物門 Arthropoda とは、
- 完全な消化系と解放血管系をもつ。
- もっとも多くの種が記載された動物門で、現在 100 万種以上を数える (2)。
体は大きく Cephalon, thorax 胸郭, pygidium に分かれる。図 (3) を参照のこと。腹部 abdomen という用語もある。
節足動物の体の構造に関する用語
気門 |
気管 trachea とともに昆虫などに存在する呼吸器官。気管が外部へ開いている孔のことを気門という。 |
外皮系 |
Integumentary system |
マルピーギ管 |
消化管から伸びる浸透圧調節および排出のための菅。マルピーギは人名なので、通常は Malpighian と大文字で示す。 図 (Public domain) のように、midgut と hindgut の境界付近で消化管に繋がっており、水や代謝産物を排出する機能がある。血リンパに浸かっており、腎臓と同様に原尿を作る。 |
Tonofibrillae |
筋肉の末端とクチクラ層を繋ぐ細い結合組織。筋肉とクチクラ層の結合形式には apodeme というものもあり、これは外骨格が内側に伸びているものをいう。 |
腹膜 |
腹部の臓器を覆う膜。節足動物だけの組織ではなく、人間などにもある。 |
らせん糸 |
昆虫の呼吸器系の組織の一つ。気管の内部にあるクチクラが肥厚した部分。 |
眼柄 |
目が頭部と離れている場合、それらを繋ぐ組織を眼柄という (画像は Public domain)。甲殻類、昆虫類、腹足類のほか、シュモクザメにも存在する。 甲殻類の眼柄は、サイナス腺と X 器官をもつ内分泌器官である。 |
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節足動物門に含まれる分類群
節足動物には、以下のような分類群が含まれる。亜門 subphylum、綱 class などの分類レベルは文献によって異なるが、ここでは NCBI Taxonomy のもの (2023 年 6 月) を採用している。
節足動物は、以下の 4 つの亜門に分けられている。
鋏角亜門 |
口の直前にある 1 対の付属肢、鋏角 chelicera をもつ分類群。代表的な綱は以下の通り。
|
多足亜門 |
細長い体と多くの足をもつ。代表的な綱は以下の通り。
ヤスデとムカデは、生殖口の位置、発生様式、体節あたりの歩脚の数、毒のある顎の有無などが異なっている。 |
甲殻亜門 |
エビ、カニ、オキアミ、ミジンコなどが含まれる分類群。六脚亜門 (昆虫および内顎類を合わせたもの) と合わせて単系統と考えられている。 さらに以下の 11 の群に分けられる: 貝虫類 Ostracoda・ヒゲエビ類 Mystacocarida・鰓尾類 Branchiura・シタムシ類 Pentastomida・カイアシ類 Copepoda・ヒメヤドリエビ類 Tantulocarida・鞘甲類 Thecostraca・軟甲類 Malacostraca・鰓脚類 Branchiopoda・カシラエビ類 Cephalocarida・ムカデエビ類 Remipedia |
六脚亜門 |
主に昆虫類。 |
その他未整理
面白い種など、節足動物に関するランダムなメモ。
モンハナシャコ
モンハナシャコ peacock mantis shrimp Odontodactylus scyllarus は、海洋性動物で最速のパンチ速度を誇る動物。通常の水槽では壊してしまうため飼育できず、パンチ時には腕の周りの水が沸騰してキャビテーションを起こす。
カニ類の幼生
カニ類は、ゾエア幼生 zoea およびメガロパ幼生 megalopa という段階を経て稚ガニとなる。両者のイラスト (4)。左がゾエア幼生、右がメガロパ幼生。チチュウカイミドリガニ Carcinus aestuarii という種の幼生。
写真も載せておく。King crab Paralithodes platypus のゾエア幼生。
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References
Hine 2015a. A Dictionary of Biology.
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- Amazon link:
Starr et al. 2016a. Biology Today & Tomorrow. - By Sam Gon III - http://www.trilobites.info, Attribution, Link
- Auguste Le Roux - <span class="int-own-work" lang="ja">投稿者自身による作品</span>, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
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