壬申の乱

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: 壬申の乱とは
  2. 「逆説の日本史」にみる壬申の乱と天武天皇の正体
  3. 「火の鳥 太陽編」の壬申の乱

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概要: 壬申の乱とは

壬申の乱は、ユリウス歴 672 年 7 月 24 日 から 8 月 21 日にかけて起こった古代日本最大の内乱である。

このページは、壬申の乱に関する怪しい言説をもとにしたものである。いずれきちんとしたページを作るまで、内容を鵜呑みにしないように願いたい。

「逆説の日本史」にみる壬申の乱と天武天皇の正体

学生のころに読んで面白かった 逆説の日本史2 古代怨霊編/聖徳太子の称号の謎 (Amazon link) のメモ。

この逆説の日本史シリーズは、書記長 が歴史に興味を持ったきっかけであり、とくに古代の 1, 2 巻あたりが大変面白いのだが、論理展開は強引で、「日本の歴史学者・学界」への怨嗟に満ちた記述が入り、話はあちこちに飛び、たまに右翼的主張が入るシリーズなので、そのあたりは注意したい。


逆説の日本史 2 古代怨霊編 第二章 天智天皇編から。

大化の改新を起こした中大兄皇子が668 年に即位し、第 38 代・天智天皇となる。

このとき、朝鮮には高句麗、新羅、百済の 3 つの国があり、百済が 661 年に唐・新羅連合軍に攻められれて滅びてしまう。天智天皇は百済を救済するために朝鮮に軍を送るが、663 年 白村江の戦い で大敗する。

天智天皇

日本書紀によると、天智天皇は 672 年 1 月 7 日に近江大津宮で死んだとされているが、この本ではこれは天武天皇の一派による暗殺であるとする。

新羅と天武天皇が近く、天智天皇が唐との軍事同盟を結びそうなのでこれを暗殺したと推察。唐の基本戦略は「遠交近攻」で、まずは遠い新羅と組んで近い百済を滅した。次に日本と組めば、新羅が滅ぼされることが予想されるという国際情勢だったようだ。

根拠として挙げられているのは、概ね以下のような点である。

  • 平安時代の末期に書かれた「扶桑略記」という書に、「天智天皇は山科の里に遠乗りに出たまま帰ってこず、仕方がないので沓の落ちていた部分に墓を作った」というようなことが書かれている。著者の皇円は、天智一族が気づいた三井寺の僧で、一般には知られていない情報を知っていたかもしれない。
  • 日本書紀は天武天皇の息子・舎人親王が責任者として編纂したもので、天武に都合のいい事実が書かれている可能性がある。
  • 日本書紀には、天智天皇陵の位置が書かれていない。もがりの期間も短い。
  • 万葉集にも、天智天皇の魂が山科の木幡というところに漂っているというような歌がある。
  • 山科を領地とする栗隈王 (くるくまのおほきみ) が、天智天皇の死後に出世している。

天武天皇にも謎が多い。天智天皇の弟とされているが、著者はこれを疑っている。この「非兄弟説」は、他にも提唱している人がいるようである。

  • 日本書紀や国史大辞典でも、天武天皇の年齢が不明である。
  • 天武天皇が即位したときに、三種の神器のひとつ、草薙剣が天武に祟ったことが日本書紀に書かれている。これにより、草薙剣は熱田神宮に移された。
  • 京都の泉涌寺には、天武天皇から称徳天皇までの八代七人の位牌がない。天武系統が除外されており、天智 - 光仁 - 桓武 という繋がりになっている。天皇家の先祖供養の儀式からも外されている。
  • 桓武天皇が即位して血統が天智系に戻ったとき、平城京から平安京への遷都が行われ、中国で王朝交代時に行われる郊祀という儀式を行っている。
  • 持統天皇は天智の娘、天武の妻。系統を天智系に戻した功績からこの諡がつけられたとする。「継代持統」というセットの言葉である。
  • 森鴎外の考察を引用。「天智」は殷の紂王が身につけていた玉に由来する。紂王は酒池肉林に溺れた悪王で、これは悪い名前。武王に倒される。天智、天武はこれを隠喩していると考察。
  • 日本書紀には、天武天皇について「壮におよびて、雄抜しく、神武く、天文遁甲を能くしたまえり」と書かれている。遁甲は忍術のようなもの。

火の鳥 太陽編

火の鳥はどれも面白いが、個人的にはこの太陽編が一番いい。壬申の乱と仏教の伝来を扱っているとともに、過去と未来の両方が描かれる。火の鳥は、過去と未来を一冊ずつ描いていき、最後に現代編で完結する予定だった壮大な物語だが、太陽編でその構造がある。

主人公・犬神は百済の王族。白村江の戦い前後のアジア情勢。阿部比羅夫も実在の人物のようだ。

日本の国つ神に対して、仏教の神々が侵略者として描かれる。天智天皇は仏教を推進、大海人皇子 (のちの天武天皇) は国つ神に理解を示す立場。藤原鎌足、大友皇子、栗隈王など、実在の人物も多い。怪しい雲が現れる場面などは日本書紀が引用されている。かなりの部分を日本書紀からとっているのかもしれない。

未来では、シャドーと光の戦いが描かれる。光は火の鳥をシンボルとする宗教団体で、信じない人をシャドーとして地下に閉じ込めている。過去でも未来でも、宗教をもとにした争いはなくならない。

犬上は大海人皇子と行動を共にし、火の鳥と出会う。大海人皇子は太陽神を崇めることを決め、「日の本」という国名を思いつく。

壬申の乱に勝利して天武天皇となった大海人皇子は、やはり天智のように宗教を権力の維持に使うことを決める。これに対する犬上の反応は直接は描かれていない。犬上は、自由になるために政府からの誘いを断り、おばばと一緒に旅に出る。

なお、天武天皇は 681 年に「飛鳥浄御原令 (あすかきよみはらりょう)」の編纂を始め、これは天武の死後に完成、689 年に持統天皇により施行された (参考)。法令の上で「日本」「天皇」が公式に設定されたのはこの飛鳥浄御原令が初めてであり、天武天皇が「日本」という国号を思いついたということにはそれなりの根拠がある。

  • 天武天皇が暴れる場面で、槍を使っている。
  • 未来で「光」教団のボスの名前が大友。シャドーのボスはその叔父という設定で、これは大友皇子と天武天皇の関係と同じ。
  • 「人間の権力は・・人間自身の手でなくすもの・・だから 私は 見ているだけ」
  • 「鳥ははっきり教えてくれた! おれは命の限り近江権力と闘ってやるぞ!」

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References

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