窒素NMR: 原理、実例など

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: 窒素 NMR とは

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概要: 窒素 NMR とは

窒素 nitrogen は原子番号 7 の元素であり、2 つの安定同位体 14N と 15N がどちらも NMR で観測可能である。両者は以下の表のような特徴をもち、15N NMR と同位体標識を組み合わせる手法が主流である (1)。

14N 15N
天然での存在比

99.6% 以上 (1)

0.37% (1)

しかし、窒素 NMR はこちらが主流

スピン量子数

I = 1 の整数スピンであるため、数 MHz にも及ぶ強い四極子相互作用がある。これが NMR を阻害する。

具体的には ピークが極端にブロードになる (1)。

I = 1/2 なので、通常の NMR を行える。


文献 1 では、この 14N NMR の問題点を解決するために heteronuclear multiple quantum choherence (HMQC) という方法を用いた間接測定について解説している。

> 15NO3-ケミカルシフト が濃度によって変わることを示した論文がある (2)。
  • 9 M solution と 2 M solution では、-14.37 ppm から -5.54 ppm の間で変化した。
  • これをケミカルシフトの標準物質とするのは望ましくない。
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References

  1. 西山 2011a. 1 mm MAS による 14N NMR 測定. 日本電子ニュース 43, 21-24.
  2. Srinivasan & Lichter 1977a. Nitrogen-15 nuclear magnetic resonance spectroscopy. Evaluation of chemical shift references. J Magn Reson 28, 227-234.