ゼロ迷路試験: 目的、方法、測定項目など
UBC/experiments/behavior/zero_maze
このページの最終更新日: 2024/02/14- 概要: ゼロ迷路試験とは
- 方法
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概要: ゼロ迷路試験とは
ゼロ迷路試験 zero-maze test は、不安神経症 anxiety の動物モデルに対して提唱された行動試験である(1)。
図は 2014 年に発表された water associated zero maze という方法の写真だが、用いる装置は似ているので参考になるだろう。
- マウスまたはラットを縁の部分に置く。この台は高いところに設置されており、動物は円状の縁の部分を自由に移動できる。右の例では中央にプールがある。
- 縁は 90˚ずつ open(壁が低い)と close(壁が高い)部分に分かれている。接触走性 thigmotaxis という性質によって、closed の部分にいることを好む。
- Open の部分で過ごした時間が長いほど、不安行動が少ないことになる。
Cited from reference 2. The water associated zero maze. An annular platform (90cm diameter; 10cm width), made out of black plywood, joined to a plastic tank (70 cm diameter, 55 cm deep) elevating it 55 cm above the ground. The annular platform has two opposite, enclosed quadrants (with walls 35 cm height) and two open quadrants (with borders 5mm height). The plastic tank that holds this platform is filled up with water (22 ± 2˚C, 50 cm deep).
このほか、以下の 2 つの行動の回数もデータになる。
- 不安が少なくなると、open のところから下を覗き込むような動作 head-dipping behavior の回数が増える(1)。
- 逆に、床にぴったりと貼り付くような動作 stretched attend posture は不安行動の指標である(1)。
> Plus-maze という open/closed の道がクロスした装置を使った類似実験(1)。
- 中央の open でも closed でもない部分で動物が過ごす時間をどのように扱うかが問題だった。
- 実際に、動物は 20-30% というかなりの時間をそこで過ごすというデータも。
- 道を円状にして、この問題を解決したのが zero maze である。
方法
マウスは 1 時間実験を行う部屋に慣らされ、実験は dim lighting 下で行われた(3)。
- Time spent in open/closed sectors (3).
- The number of entries intor open/closed sectors (3).
- The total distance covered for the duration 300 seconds (3).
- Time until the mouse would first enter one of the open sectors (3).
- The number of head dips (3).
- The number of fecal boli dropped on the maze-maze during each test (3).
実施例
> 最初の論文では、既知の抗不安薬 anxiolytics と不安惹起薬 anxiogenic drugs で本法を評価(1)。
: 抗不安薬ジアゼパム diazepam (0.125-0.5 mg/kg) で、不安行動と考えられるものが減った。
: 抗不安薬 chlordiapeoixide (0.5-2.0 mg/kg) でも同様の効果がみられた。
: 不安惹起薬 mCPP (0.25-1.0 mg/kg) では、逆の傾向がみられた。
> 統合失調症モデルである NMDR 受容体ノックアウトマウスで zero maze test を行った論文(3R)。
: このマウスは 63% を open sector で過ごした。wt は 11% であった。
: 統合失調症の anxiety test は、up/down の両方の報告があるのか?
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References
Shepherd et al. 1994a. Behavioural and pharmacological characterization of the elevated "zero-maze" as an animal model of anxiety. Psychopharmacology 116, 56-64.Ritov & Richter-Levin 2014a. Water associated zero maze: a novel rat test for long term traumatic re-experiencing. Front Behav Neurosci 8, 1.Halane et al. 2009a. Assessment of NMDA receptor NR1 subunit hypofunction in mice as a model for schizophrenia. Genes Brain Behav 8, 661-675.
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