細胞結合 cell junction と細胞外マトリックスの基礎
- Cell junction の概要
- 細胞外マトリックスの概要
- 基底膜とは
- 細胞結合、ECM 異常による病気
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細胞結合 cell junction の概要
細胞結合
- タイトジャンクション: Tight junction
- 固定結合: Adherens junction
- デスモソーム: Desmosome
- ギャップジャンクション: Gap junction
植物細胞に特異的な細胞結合に plasmodesmata がある (2)。
あまり良い図ではないが、4 種類の細胞結合を示す模式図 (Public domain) を載せておく。
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細胞外マトリックス ECM の概要
細胞外マトリックス (extracellular matrix; ECM) は
動物の組織は、模式的に示すと図 (Public domain) のようになっている。すなわち、
- 最初の層として上皮細胞 epithelial cells がある。
- その下に
基底膜 basement membrane がある。これは、ページの下で述べる通り細胞膜とは異なり、脂質 でなく ECM で構成されている。 - 基底膜の下のスペースに ECM が詰まっており、その中に線維芽細胞 fibroblast や血管などが分散している。
つまり、組織といっても細胞がぎっしり詰まっているわけではなく、ECM が体積の多くを占める。ECM の役割は、次のようにまとめられる。
- 細胞に足場、栄養などを提供する。
- 細胞の分化、分裂などを制御する。
ECM は、以下のような成分から構成されている。
多くの種類のタンパク質が含まれるが、動物の ECM で量的にもっとも多いのは コラーゲン である。 |
|
多糖 |
グリコサミノグリカンが多く含まれる。 |
基底膜とは
基底膜 basement membrane は
基底膜 basement membrane は、表皮に近い側の basal lamina と、表皮から遠い reticular connective tissue から成り立っている。この結合組織には VII 型コラーゲン、fibrillin microfibrils などが含まれる。
細胞結合または ECM の異常による病気
壊血病 |
ビタミン C の欠乏によって、コラーゲンの合成が阻害されて起こる病気。 |
Osteogenesis imperfecta |
タイプ 1 コラーゲン合成不全の遺伝病 (1)。上皮組織は一般に約 30% のタンパク質を含み、とくにコラーゲンが重要な役割を果たしている。コラーゲンの変異によるこの病気では、骨が壊れやすくなり、ときに死に至ることもある。手術やフィジカルセラピーなど、骨を強化する治療が行われる。 |
Ehlers-Danlos syndrome |
結合組織の遺伝病 (1)。関節が過剰に柔らかくなり、皮膚の弾性が上がる。コラーゲンをコードする CO5A1 および CO5A2 遺伝子の異常が原因である。 |
マルファン症候群 |
fibrillin-1 などの変異による遺伝病 (1)。腕、足、指などがアンバランスに長くなる。循環系、目に異常。 |
ルーパス病 Lupus |
全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus (SLE) とも呼ばれる。自己に対する抗体ができてしまう自己免疫疾患であり、結合組織以外が原因の場合もある。 |
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References
- 水島 (訳) 2015a. イラストレイテッド細胞分子生物学 (リッピンコットシリーズ).
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.
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