トランス脂肪酸とは
広告
概要: トランス脂肪酸とは
脂肪酸とは、炭化水素鎖と末端のカルボキシル基 (-COOH) から構成される分子である。炭化水素鎖には二重結合が含まれるため、配置によってシス型とトランス型の脂肪酸が存在することになる。
まず、以下のブテン butene という分子を使ってシス、トランスの意味をチェックしておこう。シス型とは、下の図 (Public domain) のように二重結合の両側にある官能基が同じ側に位置する配置である。つまり、1 番と 4 番の CH3 が、どちらも C=C 二重結合の上側にある。この分子は cis-2-butene という。
これに対して、以下のトランス型の分子 trans-2-butene では、1 番と 4 番の CH3 が C=C 二重結合に対して下と上に配置されている。
脂肪酸の例では、次のようになる。図 (Public domain) は、炭素を 18、二重結合を 1 つ含むオレイン酸である。二重結合の両側には長い炭化水素鎖が伸びているが、その配置によってシス型とトランス型がある。
脂肪酸のシス・トランスが重要なのは、
油脂への水素添加とトランス脂肪酸
マーガリンなどの硬化油にトランス脂肪酸が多く含まれることは知っていたが、雑談していてふと「水素添加したら飽和化するので、シスもトランスもないんじゃないか?」という疑問が出たので、ちょっと調べてみた。
水素添加には、ニッケルが触媒として使われる (図、文献 1)。トランス脂肪酸の生成は
日本のマーガリンには、脂質の 8% 程度がトランス脂肪酸である。トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを上昇させるため、WHO は摂取量を全カロリーの 1% 未満にすることを推奨している。
広告
References
- あら金 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107327625による
コメント欄
サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。