トランス脂肪酸とは

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このページの最終更新日: 2022/05/16

  1. 概要: トランス脂肪酸とは
  2. 油脂への水素添加とトランス脂肪酸

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概要: トランス脂肪酸とは

脂肪酸とは、炭化水素鎖と末端のカルボキシル基 (-COOH) から構成される分子である。炭化水素鎖には二重結合が含まれるため、配置によってシス型とトランス型の脂肪酸が存在することになる。

まず、以下のブテン butene という分子を使ってシス、トランスの意味をチェックしておこう。シス型とは、下の図 (Public domain) のように二重結合の両側にある官能基が同じ側に位置する配置である。つまり、1 番と 4 番の CH3 が、どちらも C=C 二重結合の上側にある。この分子は cis-2-butene という。

シス型のブテン

これに対して、以下のトランス型の分子 trans-2-butene では、1 番と 4 番の CH3 が C=C 二重結合に対して下と上に配置されている。

トランス型のブテン

脂肪酸の例では、次のようになる。図 (Public domain) は、炭素を 18、二重結合を 1 つ含むオレイン酸である。二重結合の両側には長い炭化水素鎖が伸びているが、その配置によってシス型とトランス型がある。

シス型とトランス型のオレイン酸

脂肪酸のシス・トランスが重要なのは、天然の不飽和脂肪酸はほとんどがシス型である こと、また トランス脂肪酸は有害であるが、食品中に含まれるケースが多い ことによる。


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油脂への水素添加とトランス脂肪酸

マーガリンなどの硬化油にトランス脂肪酸が多く含まれることは知っていたが、雑談していてふと「水素添加したら飽和化するので、シスもトランスもないんじゃないか?」という疑問が出たので、ちょっと調べてみた。

水素添加には、ニッケルが触媒として使われる (図、文献 1)。トランス脂肪酸の生成は 副反応 だった。水素が完全に添加されれば、飽和脂肪酸になるので、もちろんシスもトランスもない。しかし、工業的には反応はその前で止まるので、結果として副産物のトランス脂肪酸が残ることになる。

水素添加によるトランスオレイン酸の生成

日本のマーガリンには、脂質の 8% 程度がトランス脂肪酸である。トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを上昇させるため、WHO は摂取量を全カロリーの 1% 未満にすることを推奨している。


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References

  1. あら金 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107327625による

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