概日リズムを作るホルモン メラトニン:
構造、機能、副作用など

UBC/reagents/m/melatonin

このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: メラトニンとは

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概要: メラトニンとは

メラトニン melatonin は体内で作られるホルモンであり、構造的にはアミン amine に該当する。サプリメントとして売られている国もあるので、このサイトでは一応「試薬」として分類している。

メラトニンの構造は以下の通り (1)。



メラトニンは松果体 pineal gland で合成され、概日リズムを制御する (2I)。

メラトニンには、概日リズム制御以外の作用もある (2)。

  • ラットモデルで Drp1-related mitochondrial fission を抑制し、posttraumatic cardiac dysfunction を軽減する。
  • NR4A1/DNA-PKcs/p53 経路を抑制し、脂肪肝の進行を遅らせる。
  • MT2-TFE3-dependent autophagy により、腫瘍細胞のアポトーシスを促進する。

メラトニンが、stroke からの回復に有効であることを示した論文 (2)。

  • Stroke はアメリカで死亡要因の第 5 位。血流の回復は、ときに ischemia 以上のダメージを細胞に与えることがある。ischemia-reperfusion injury と呼ばれる。
  • Melatonin - AMPK pathway が、p21-activated kinase (Pak2) を介して神経細胞を保護することを示している。
  • 例えば、hypoxia-reoxigenation によって細胞死が増えるが、これがメラトニン処理によって軽減されるなど。カスパーゼ活性、GSH 量、ROS 量などの測定でも同じ傾向。
  • さらに AMPK 経路の阻害剤または Pak2 のノックダウンによってこの効果がなくなることを示している。

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References

  1. By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
  2. Xing et al. 2019a. Melatonin ameliorates endoplasmic reticulum stress in N2a neuroblastoma cell hypoxia-reoxygenation injury by activating the AMPK-Pak2 pathway. Cell Stress Chaperones 24, 621-633.

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