リドカイン: 最も広く使用される局所麻酔薬

UBC/reagents/l/lidocaine

このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: リドカインとは

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概要: リドカインとは

リドカインは 2,6-dimethylphenol (2,6-ジメチルフェノール が aromatic tail であり、そこに鎖がついた構造をしている (図、Public domain)。Aromatic tail が電位依存性ナトリウムチャネルのブロックに重要であることがわかっている (6R)。

エチドカイン etidocaine, ブピバカイン bupivacaine も似た aromatic tail をもっている。

リドカインの構造

イギリス英語ではリグノカイン lignocaine。特異性の高い電位依存性ナトリウムチャネルのブロッカーである (4R)。長期脱分極または発火が繰り返されているときに阻害が起こり、通常の神経活動への影響が少ない (2)。

> ラットの VGSC, L型 Ca channel、GABAA受容体への結合を比較した論文 (4)。

  • 標識した BTX-B (VGSC), PN200-110 (Ca), TBPS (GABAAR) を使って競合実験。
  • IC50 はそれぞれ 128 µM, 5630 µM, > 4mM で、VGCS への特異性が非常に高い。
  • この論文では、alfaxalone の GABAA受容体への特異性が非常に高いことも示されている。

> Voltage-dependent, state-dependent の両方の阻害様式を示す(2)。

  • 脂溶性が高いため、神経、消化系、心筋の VGSC に結合し、副作用が出やすい。
  • 構造の似た analog として、mexiletine が知られている。

Inactivated および resting state VGSC に結合し、その状態を安定化する(1,2)。Inactivated VGSC に対する親和性の方が高いことが知られている(2)。

> Aromatic tail が VGSC をブロックする活性に重要である(6R)。

  • Phenol 部分とジメチルアミド部分に分解した研究からも示されている(6I)
  • HEK293 に rat brain IIA VGSC or human skeletal muscle hSkM1 VGSC を発現させテスト。
  • 2,6-dimethylphenol は、lidocaine とほぼ同様の阻害活性を示した。
  • 2,6-dimethylphenol の親和性は、resting state よりも inactivated state で約 20 倍高かった。

SD ラットに、頸静脈 jugular vein から 2% lidocaine の注入を行っている例もある(5)。痛みに伴う Fos の発現を低下させる効果が述べられている。

軟膜表面に 8 - 16 mM で投与すると、ヒトで抗てんかん作用を発揮するという報告がある(3I)。

ラット硬膜外に 1 mM で投与しても、アセチルコリンによるEEG変動を抑制しなかった(3R)。

References

  1. Clare et al. 2000a (Review). Voltage-gated sodium channel as therapeutic targets. Drug Discov Today 5, 506-520.
  2. Shah et al. 2010a (Review). Voltage gated sodium channel blockers: potential treatment for neuropathic pain. CRIPS 11, 11-15.
  3. Baptiste et al. 2010a. Comparison of the antiepileptic properties of transmeningeally delivered muscimol, lidocaine, midazolam, pentobarbital and GABA, in rats. Neurosci Lett 469, 421-424.
  4. Lingamaneni & Hemmings 2003a. Differential interaction of anaesthetics and antiepileptic drugs with neuronal Na+ channels, Ca2+ channels, and GABAA receptors. Br J Anaesth 90, 199-211.
  5. Kubota et al. 2007a. Modulation of neuronal activity in CNS pain pathways following propofol administration in rats: Fos and EEG analysis. Exp Brain Res 179, 181-190.
  6. Haeseler et al. 2002a. Block of voltage-operated sodium channels by 2,6-dimethylphenol, a structural analogue of lidocaine's aromatic tail. Br J Pharmacol 137, 285-293.

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