カンプトテシン:
抗がん作用をもつトポイソメラーゼの阻害剤

UBC/reagents/c/camptothecin

このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: カンプトテシンとは

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概要: カンプトテシンとは

カンプトテシン camptotecin とは、1966 年に中国産の樹木 Camptotheca acuminata から発見された化学物質である (1)。

抗がん活性をもつ。有害な副作用が多いため、誘導体であるトポテカン topotecan やイリノテカン irinotecan が抗がん剤として使われている (1)。

1985 年、この物質は トポイソメラーゼ I (topoisomerase I) の阻害剤であることが示された (1)。

> トポイソメラーゼは、DNA supercoil を解除する酵素であり、DNA の複製に必要である (1)。

  • DNA の 2 本鎖が複製のために解かれるとき、両端に supercoil が生じる。
  • これをそのままにしておくと、最終的に DNA の複製は停止してしまう。
  • トポイソメラーゼは、supercoil に結合し、鎖の片方または両方を切断することでそれを解放する。
  • 最終的に、再び DNA を繋ぐのもトポイソメラーゼである。

カンプトテシンは、トポイソメラーゼによって作られた DNA の間隙に入り込み、トポイソメラーゼが DNA 鎖を繋ぐのを阻害する (1)。

References

  1. Pierce 2016. Genetics: A Conceptual Approach: 使っているのは 5 版ですが、6 版を紹介しています。

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