tRNA の構造:
修飾塩基の種類とクローバー構造
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2018/11/30 更新
- 概要: tRNA とは
- 修飾塩基の存在
- クローバー構造
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概要: tRNA とは
Transfer RNA (tRNA, 転移 RNA) とは、mRNA を鋳型にしたペプチド合成を仲介する 100 塩基以下の短い RNA のことである (図, 文献 1)。
tRNA には、少なくとも以下の 2 つの構造上の特徴がある (4)。
修飾塩基の存在
RNA には多数の修飾塩基が存在することが知られているが、tRNA では以下の 2 種類が有名である (4)。
シュードウリジン
tRNA はシュードウリジン pseudouridine という修飾塩基を含むことが知られている。ギリシャ文字の ψ または Q と表記することが多く、図 (ref 5) の反応により合成される。
リボチミジン or 5-メチルウリジン
リボチミジン ribothymidine (図, ref 6) も tRNA に含まれる修飾塩基である。5-メチルウリジン 5-methyluridine とも呼ばれる。
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クローバー構造
tRNA は図 (2) に示すようなクローバー型の構造をしている。構造上の重要なポイントは以下の通りである (3)。
直線状の部分 |
塩基が水素結合 hydrogen bond を作って構造形成に寄与している。 |
Anticodon arm (A) |
図の α の位置の赤い 3 塩基が mRNA 上のコドンと水素結合する。この 3 塩基は |
Acceptor stem (β) |
|
DHU arm (D) |
単に D アームとも言う。aminoacyl-tRNA synthetase による認識部位と考えられている。 DHU はジヒドロウリジンで、この修飾塩基がこのアームに含まれることが多いためこのように名付けられている。 |
TψC arm (T) |
ψ は「プサイ」であり、単に T アームとも言う。リボソームの認識部位と考えられている。 ψ も修飾塩基シュートウリジンを表し、このアームに含まれることが多い。 |
修飾塩基に着目した以下の図 (7) も重要である。酵母の Phe tRNA には、以下のように多数の修飾塩基が含まれている。
m2G = 2-methylguanosine; D = 5,6-dihydrouridine; m22G = N2-dimethylguanosine; Cm = O2’-methylcytidine; Gm = O2’-methylguanosine; T = 5-methyluridine; Y = wybutosine; ϕ = pseudouridine; m5C = 5-methylcytidine; m7G = 7-methylguanosine; m1A = 1-methyladenosine.
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References
- By Boumphreyfr - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7200200
- CC 表示-継承 1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=53280
- Amazon link: Berg et al. Biochemistry: 使っているのは 6 版ですが 7 版を紹介しています。
- Amazon link: Pierce 2016. Genetics: A Conceptual Approach: 使っているのは 5 版ですが、6 版を紹介しています。
- By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
- By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
- By Yikrazuul - Own work, CC BY-SA 3.0, Link